|
「もきゃあああああああ!」 最初にその声に気付いたのは誰だったか。 ガープ中将率いる部隊がマリンフォード近郊の海の哨戒任務中、悲鳴を聞いたような気がした。 何か聞こえないか?本当だ、と甲板にいた者たちがざわめき、船の責任者であるガープの耳にも届く。 「空から悲鳴、な」 何が起こっても不思議ではない海の上。 悲鳴が聞こえたとなれば、とりあえず助けるのが平和を守り愛する海軍の務めだ。 何が起こってもいいように部下に身構えさせ、ガープ自身は悲鳴の主を助けようと空を見上げる。 「いかん、海へ落ちる!船と助けの用意!!」 悲鳴が大きくなるにつれ、落下地点の予測がついた。 最初は船の甲板の上に落ちる予定だったが、風に流されたらしい。 幸いにも船のすぐ近くへ落ちそうなので、いつでも救出できるよう、小舟と救出要員の体制を整える。 数秒後、大きな水柱が立ち、小雨となって降り注いだ。 □ → 2010/09/21 |