「好きです」
雲雀は外見は良いので、その所業を知らない他校の女子から告白される事も少なくない。
興味ない事柄なので今まではされるたび無視したり適当にあしらっていたが、最近は少し対応が変わった。
「どうして僕が好きなの?」
「え・・・っと、それは・・・・・・・・・・・」
「すぐに答えられないならいい。消えて」
必ず一つ、質問するようになった。
何故自分を好きなのか。
すぐに答えられなかったら今のように追い払い、答えることが出来ても、ふぅんと適当に相槌を打ち、やはり追い返す。
どちらにせよ相手の女子をふるわけだが、理由を聞く。
それが常になっていた。
どうしてこんな事を聞くのか、雲雀は自分でわかっている。
あいつの所為だ、あの忌々しい男、。
あの男が中途半端なことをした所為で、今こんなにも悩んでいる。
自分はが好きなのか、否か。
真っ向から全否定したいところなのに、どうしても否定しきれない自分が嫌いだ。
雲雀は、自分がを思う気持ちが何なのか知りたい。
自分ではわからないので、他人に答えを求めてしまう。
人が人を好きになる理由。
何が“好き”という事なのか。何が“恋”なのか。
人を好きになるとは、一体何なのか。
この息苦しさは何なのか。
誰でも良い、答えを与えてくれれば。
知りたい、この気持ちが何なのか。
願わくば、これが恋ではなきを願おう。
恋慕の情など、邪魔なだけだ。
しかし、未だ雲雀の納得する理由を言ってのけた女は居ない。
誰も居なくなった通学路で、一人雲雀は心の中で言う。
全部全部、あいつが悪いんだ。
遠く離れても同じ空でつながっている異国を睨んだ。
2007 02 11
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