
お子さま行進曲 ロジェと!
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その日は珍しく二人きりだった。 イゾウは着物を新調すると行きつけの呉服屋へ足を運び、サッチはパチンコ、エドワードは定期健診で病院、その付き添いに数名同行し、とにかく、家にはマルコと、二人きりだった。 「久しぶりだねー」 「久しぶりに静かだな」 マルコの仕事もなく、の用事もなく。 「いちゃいちゃ」 マルコはソファに座り、はマルコの膝に横向きで座っている。 ぎゅぎゅうと腕をまわして腰に抱きつくをマルコは両手でゆるくかこい、の頭の上に顎を乗せた。 居間でいちゃつくのは、というより、互いの部屋以外で家でいちゃつくのは久しぶりだった。 マルコとが恋愛関係にあるのは周知の事実だが、家の中で大っぴらにいちゃつくようなことはさすがにしない。 バカップルと言う言葉を甘んじて受け入れ、どころかもっと言えといわんばかりの二人でも、TPOはわきまえている。もっとも、二人の考えるいちゃらぶと周囲のいちゃらぶ認識に差異がみられるのは確かだけれど。 「たまには家でくつろぐっつーのもいいな」 「部屋とはなんか違うね」 は抱きついていた腕を離し、頭の上にあったマルコの顔をどけ、首に手を回し頬にキスをする。 返事のようにマルコが額にキスをし、何度か互いの顔にキスをする。 「マルコ、好き!」 「俺もが好きだよい」 今度は口に。 「今度の休み、どっか行くか」 「今度はロジェと、新しく出来たお店に行くんだよ!」 「じゃあ、その次」 「うんっ!約束ね!!」 が笑い、マルコも微笑んでの頭を撫でる。 居間の古時計が三度鳴り、マルコがおやつの準備をする。 今日はケーキで、美味しそうにチョコケーキを食べるにマルコがショートケーキに乗っていた苺をあげた。 後片付けは二人で流しに立って手際良く。 再びソファーの上に戻って来た時、ふわっとが欠伸をした。マルコがを寝かせ、膝枕をする。 が目を覚ますと、座ったままマルコも眠っていた。 眠っているマルコを下からのぞき込み、意味もなく笑った。 * 「おーい、帰ったぞー」 「あー、おかえりー!サッチ今日は勝った?負けた?」 「…ほれ、土産だ」 「ウエハース!勝ちも負けもしなかったのな!」 「戻ったぞー」 「おかえりー!今日はどんなの買ったの?」 「今まだ仕立て中だ。出来上がったら見せてやるよ」 「綺麗なイゾウ、見るの好き!」 「はっはっは!お前は馬鹿正直だな!!」 帰ってきたみんなとわいわい騒いで、休日が終わる。 □ 2011/03/04 |