
お子さま行進曲 ロジェと!
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「のおとーさん?オヤジだよ!」 「じゃなくて!ほら、その……血のつながった方の」 尻すぼみになった言葉は、家庭の事情をもつ者に対して非常に重い言葉だった。 エースには他人に知られたくない家庭の事情がある。 それを今、白ひげのみんなに打ち明けようか迷った時だった。 いきなりオヤジに相談するのは不安だし、かといって他に誰か相談できる相手が以外思い浮かばなかった。 単純馬鹿の能天気な奴だけど、一番近くにいる存在がだとエースは思っている。 なにより今回の件では歳が近いし、事情も似通っている。 初めてがエドワードの実娘ではないということを知った時、じゃあ家族は?と真っ先に疑問に思った。 けれど直接聞きにくい話題だったから、今まで躊躇って聞く事が出来なかった。 コンビニに一緒に行った帰り道、意を決してエースはに尋ねる。 「あ、そっち。さー、知らないなー。覚えてないや」 「…あんま言いたくねェか?」 「なんかエース気持ち悪い」 「人が気を使ってるっつーのにお前というやつは!!!」 買ったばかりのからあげを食べながら、露骨に気持ち悪がるにエースは脱力した。 家庭の事情というのは人によっては絶対に話したくない、あまり触れて欲しくないデリケートな問題だ。 だからこそ、が相手だとしても気を使ったというのに!はだった。 こうなったら、遠慮なく聞いてやる、とエースは開き直った。 「なんつーかさ、お前も俺も親いねェじゃん?けどさ、絶対親はいるわけじゃねェか。その親についてどう思う?」 「親いないのにいるとか、とんだなぞなぞだな…」 「真面目に答えろよ。こっちゃ真面目に聞いてんだ」 エースがすごんだので、は肩をすくめてまじめにしてるのに、とぶつくさ言う。 それでもエースが自分に何を求めてるかわからないほど馬鹿ではなかったので、んー、とは昔の記憶と感情を探った。 父親、両親、家族。 ちのつながったほんとうのかぞく。 本当と言うなら、エドワード・ニューゲートこそ本当の親だと思うのに、違和感しか感じなかった。 少ない語彙の中、どう伝えればいいのか。 「のほんとうのおとーさん、覚えてないよ」 「が白ひげ捨てられたの、ちっちゃい時だったから忘れちゃった」 「だから、本当の、ってよくわかんない。のおとーさんはオヤジだもん」 言いきったに、エースは少々戸惑った。 「、前の家のこと全然覚えてないよ。忘れちゃったけど、困らないし」 「なんかねー、オヤジやマルコとかは知ってるみたいだけど、なんも言わないし」 「だからもう、の本当のおとーさんはオヤジで、あっちのおとーさんは知らない人だよ」 己の本当の家族を、知らない人と言い切る。 その潔さにエースはなんだか笑いがこみあげてきた。 「じゃあよ、俺の本当の父親がオヤジと敵対してたあの最悪なゴール・D・ロジャーだったらお前どう思う?」 「あー、知ってる。が生まれる前にいた人でしょ?はよく知んないけど、オヤジたまにお墓参り行ってるよ!」 その人がエースの本当のおとーさん?へーそーなんだー。 いつの間にか最後になっていたからあげを口の中に放り入れ、何でもないことのように咀嚼し飲み込んだ。 もしかしたら自分は、とてもくだらないことで悩んでいたのかもしれない、とエースはさらに笑う。 「そいつさ、世紀の大悪党だったんだぜ。周りからめちゃくちゃ恨まれるような」 「へー。悪い人だったんだねー」 「そう。めちゃくちゃ悪いやつだったわけよ」 「で?」 それがどうしたのか、と視線を投げかけてくるに、エースは自分の心配が杞憂だったことを悟った。 いや、が特別なだけかもしれない。なんてったっては馬鹿だ。馬鹿で能天気で、なにも考えてなくて。だから、事の重大さを理解していないだけなのかもしれない。 それでも随分、楽になった。 がそういうのなら、白ひげのみんなもそう思ってくれるかもしれない。 大悪党の子供でも、なんてことないように受け入れてくれるかもしれない。 だからどうした。そう言ってもらえるような気がした。 「お前はほんっと馬鹿だよな」 「なにおー!?何がどうしてそうなった!エースも馬鹿じゃん、ばーかばーか!!」 べしっとの頭をはたいて、家に向かって走り出した。 □ のが足が速いので、途中でドロップキック食らってぎゃあぎゃあ喧嘩しつつの帰宅となりました。 2013/06/27 |