お子さま行進曲 ロジェと!



「くーりすまっす、くりすーまーす!」


ジングルベルジングルベルと、街中にクリスマスソングが流れ始める季節。
よく耳にする歌を覚えたが適度に音を外しながら歌っている。
それを聞いた周囲の大人たちがクリスマスが近い事を知り、へのクリスマスプレゼントの準備を始める。
12月に入ってからの、白ひげ一家冬の風物詩である。


「くーりすますーは、けーきのひっ!!」


わーい、とくるくる回るに、また食い意地が世間の常識を上回っている、と肩を落とすのがマルコだった。
例えプレゼントが貰えようが、他の何があろうが、豪華な食事が出る時は食事のイベントだと思い込んでやまないのがだ。


「いい子がサンタからプレゼント貰える日だよい」

「おかし!」


間違ってはいないが、クリスマスのメインイベントを完全にはき違えている。詳しい所はマルコも知らないが、決して菓子がメインでないことは確かだ。
スーパーに夕食の買出しに来るたび、クリスマスのローストチキンやその他惣菜、スイーツやブーツ型のお菓子の詰め合わせなどに目を輝かせていた。
もちろんそれらはクリスマスに食卓に並ぶし、お菓子のたくさん入った赤いブーツももらえる事をは知っている。なので、欲しいとか買ってくれとか駄々をこねる事はない(ただし、いつもの徳用菓子は買えとねだる)
誰かから12月に入ってすぐにもらった、お菓子の入ったアドベントカレンダーをそれはもう楽しそうに、もどかしそうに毎日ひつとずつ穴を開けていた。


「もーいーくつねーるとーくーりーすーまーすー」


トナカイもサンタも、プレゼントさえもいらないけれど、ご馳走と鳥の丸焼きとケーキだけは譲れない。もちろん、お菓子がプレゼントならプレゼントは大歓迎。
ただ美味しいごはんが食べれたら、それで満足。
シュトーレンにパネトーネ、ジンジャーブレッドクッキーに飴のステッキ。この時期にしか食べる事の出来ないたくさんの美味しいもの。
大人でさえ浮き足立つのに、にはしゃぐなと言っても無駄な話だろう。
イベントの楽しみ方は人それぞれだ。


「クリスマス、楽しみか?」

「ちょーたのしみっ!もサッチてつだってにんげんのくっきーつくる!」


こんな!と手で形を作って教えてくれるが、どうしたって子供の説明は要領を得ない。適当に楽しみだなと同調しておけば、満足そうにうんと頷く。
最近は食べるだけで飽き足らなくなったのか、ちょこちょこキッチンへ向かっては「もつくる!」と手伝いにいそしんでいる。小さな手のひらで作られた小さなハンバーグが食卓に並んだ日は、みんな随分と優しい顔つきをしていたし、作った本人もいつも以上にはしゃぎながら食事をしていた。
まだには内緒だが、今年のクリスマスケーキはにデコレーションさせてやるんだとサッチが砂糖菓子のサンタやら、色とりどりの飾り菓子を用意している。

楽しいクリスマスになりそうだ、とマルコもいつもより少しだけ、クリスマスが楽しみになった。






2018/11/26