お子さま行進曲



は暇な時は船内を散歩している。
経路は主に、天井裏。
天井裏には壁なんてないし、ごろごろと秘密が転がっていたりする。


*


「ただいま!」

「なんで俺の部屋にただいまっつって帰ってくるんだよい」

「おかえり?」

「いや、…まぁいい」


散歩から帰ってきたは、遠慮なしにマルコの部屋に戻ってベットを占領する。
曰く、ベットはふかふかのもふもふで今まで寝ていた布団とは違うらしい。煎餅布団がどうのこうのとか。
幸いマルコはテーブルで書類仕事をしているので、邪魔をしなければいいかといつもを好きにさせている。


「きょーはなー、しょくどーでさとうもらってなー」

「かくざとう、あまかった!」

「さとうがいっぱいなんて、いいじだいなー」


ベットに転がりながら、その日あった出来事を一人話していく。
別に返事をする義務も聞く意味もないので適当に聞き流しているが、平たく言えば邪魔だ。
黙れと言ったらおとなしく一人遊びを始めるからそれはそれでいいのだが、それはそれで目障りだ。
…そう思っているのに許容している自分がいる。いい加減保護者が板についてきたのが嫌だ。
羽ペンをインクにつけ、必要な書類にサインを入れていく。


「―――のへやいったとき、ミーニャのこえがして、」

「のぞいてみたらふたりともはだかんぼでなー」

「あんあんいってた」


あー、最近若いのが増えたから食費がかさんでるなー、ちょっと海賊業頑張らないとなー、今何か言わなかったか?


「なかよしこよし!」

「ちょいまて

「う?」


シーツに包まってごろごろしていたの話を一時中断させる。
マルコ自身も羽ペンをインク壺に立てかけ、イスを引いてと向き合う。
見るとシーツがぐしゃぐしゃになっていた。
シーツ敷き直すの面倒だから、シーツに包まる遊びはしないように言っておこう。
じゃなくて。


「お前は一体何を見て来た?」


あ、なんか質問間違えた気がする。






 
2011/11/18