お子さま行進曲



「マルコー、カルピスもらったー」


一緒に飲もー!といつも通りがマルコの部屋までやってきたはよかった。
けれどその日は珍しく散らかっていて、偶然ころりと空になったインク瓶が転がっていて、はカルピスにしか眼中になくて。
どがっしゃんと、やってしまった。


「いたー、マルコごめーん。へーきー?」

「ってぇな、気ぃつけろい」


持っていたカルピス(原液) は、マルコに全部かかった。
まぁが前のめりにつんのめったから、自然の摂理に従ってお盆の上に乗っていたカルピスが前にいたマルコにかかるのは当然だった。
ついでに、こけた本人もマルコの上に倒れ込んでいた。
マルコは持ち前の反射神経でなんとか倒れるを抱きとめようとしたが間に合わず、下敷きになった次第だ。


「あちゃー、マルコカルピスまみれ」

「っち、あまったりぃ」


ぺろっと、マルコは唇の端を伝うカルピスを舐めた。
べろっと、がマルコの頬っぺたについたカルピスを舐めた。


「 ! ? 」


「ほんとだ、あまー。あまー、うまー、カルピス!」

「!!!!!!!!!」

「あはは、甘いマルコだっ!」

「!?!?!?!?!」


べろべろべろと、はマルコの身体というか、マルコにかかったカルピスを舐めた。
頬から始まり、鼻の頭、唇の端、瞼、首筋、それぞれカルピスの付着している部分を舐めていく。
声にならない悲鳴を上げる、下敷きマルコ。
美味しいと本能のままマルコを舐めていくマウントポジション
マルコの両手はわなわなと空をさまようが、を押しどけようとかそんな気配は微塵も感じられない。


「べろー」

「!」

「べろん」

「!!!」

「べろべろべー」

「!!!!!!!!!!」


楽しそうなと、また別の意味で楽しいというか恥ずかしいというか嬉しいというかでもやっぱりちょっと楽しいマルコ。


「マルコは甘いなっ!」


うひっと自分の上で笑うを、食いたいと思うマルコ。
しかしながらうっかり自分よりひとまわりふたまわりも若い小娘に食われてしまって恥ずかしいマルコ。
ぶっちゃけ声もでねぇし!ってかなり恥ずかしいマルコ。
うっかり感じちゃって悔しいマルコ。


「マルコ、美味也やっ!!」







以下蛇足。
2010/11/08






あ、なんかもう駄目だ。色んな意味でダメだ。
の舌が柔らかくってあたたかくってぬるっとしててついにMG5(マジで限界5秒前) になったマルコだったが、世の中そんなに甘くない。
いや、マルコは先ほどまで甘かったけれど。


「あふ、ごちそーさまでしたっ!」

「へ?」

「マルコシャワー浴びたほうがいーよ、カルピスとよだれでべったべた」


が何事もなかったかのようにマルコの上からどいた。
残るはどこかにいけそうでいけなかった床に寝ころぶマルコ。


「あーあー、部屋もべたべただ。片しとくからさ、シャワー浴びてきなよ」

「え、いや、あの、?」

「なに?」

「ナンデモゴザイマセン」


やるせなくって心の中で泣いた。