お子さま行進曲



「オヤジ」

「おう、別嬪にしてもらったじゃねェか」



が最後に自身の晴れ姿というか、艶姿を見せに来たのが、我らがオヤジ、白ひげエドワードニューゲートだった。
そこいらの若手連中とは違い、様々な経験をしてきたエドワードは突然のの変化にも驚くことなく対応して見せる。


「イゾウにね、してもらった!」

「おぅ、よかったな」


の綺麗に結われた髪がくずれないよう、そっと大きな掌で撫でる。
これまで沢山の女と遊んできたからか、女の怖さを身をもって知っているからか、これまでの経験上女は化けるものと知っている。
ならば、年ごろになったが化けてもなんらおかしくない。
むしろ女の子らしい一面を見れて、の成長を嬉しく思う。


「オメェもデカくなったなァ」

「んー、でも、オヤジよりちっこいからまだまだかな!」

「そうか、まだまだか!」


呵呵とエドワードが笑う。
どれ、と着崩れしないようを抱き上げ、より近くで見る。モビーディック号に落ちてきた当初は男か女かの区別もつかなかったような子供が、一目見て女とわかるまで成長している。老いてからの年月の経過は早いと言うが、これほどとは思わなかった。
まだまだあどけなさの残るだが、この分だと立派なオンナへと成長するのもすぐだろう。今はまだ「、オヤジと結婚する!」と言っているが、その言葉が聞けなくなる日も近いに違いない。を掻っ攫おうと、十年近く時期を伺っている輩がすぐ傍にいるのだ。


「オメェは、もっと綺麗になるさ。そんでもって、もっといろんなものを見ろ」

「うん!ありがとオヤジ!!そいで、もっとおっきくなるね」


オヤジと同じくらい!と両手を広げて大きさを表現する子が、たまらなくいとおしい。この子供の成長を最後まで見届ける事は、おそらく出来ないだろう。年々増えていく点滴が疎ましい。盛者必衰、この世の理を捻じ曲げる事は、さしものニューゲートでも難しいだろう。


「それでも、俺の最期ン時まで面倒見てやるよ」







魔性の女編、これにてやっと終了!いや長かった!!
2018/11/22