お子さま行進曲



「イイ女ってむつかしいねー」


はイゾウの部屋を片付けていて、イゾウはベットの上で本を読んでいる。
また今も蹴り落とされたブランケットを拾い上げては、は丁寧に畳んだ。


「掃除でしょー、炊事でしょー、洗濯でしょー、部屋の片づけでしょー」

「あと俺の言うことよく聞くのもな」

「そうそう。イイ女への道のりは長いねぇ?」

「いや、でもは中々筋がいい」


部屋をあらかた片付け終わったは、イゾウのために緑茶を淹れる。
イイ女になるべく絶賛修行中のだが、これはもはやイゾウのツカイッパシリだった。
けれども本人にそんな自覚はなく、イイ女になるための修行だと信じ込んでいる。
それに加え、イゾウがお姫様だとも信じているので、お姫様の命令には従わねばいけないという思いもあった。
おかげで散らかり放題だったイゾウの部屋は綺麗に保たれているし、がいるときだったら横になっていても飲み物や食べ物、欲しいものが動かずイゾウの元にやってくる。
イゾウは読みかけの本に栞をはさみ、ベットの上に胡坐を書いて座る。
己の教育の賜物を見やって満足げに笑った。


「お前が馬鹿正直のアホで素直な娘に育って、俺ァ嬉しいぞ」

「えと、褒められた?」

「褒めてつかわす」

「ありがたきしあわせー!」


べちゃっと床にひれ伏したをベットの上から見て、うんうんとイゾウはうなずいた。


「今度は魔性の女だな」

「めちゃくちゃ難しいって噂の!」

「着物貸してやるし、化粧もしてやろう」

「え、着物着せてくれるの?いいの!?」

「俺が許してやる!俺の様に美しくはならねぇだろうが、それなりにはしてやろう!!」

「わーい!イゾウ様ー!!」


ついでに、悩殺ポーズと口説き文句も仕込んでやろうと思うイゾウだった。







晴さんリク。アホで俺様なイゾウ(ここまでは言ってなかったかもしれない)
2010/11/26