■魔女っ子王女

「姫ー、お客様ですよー」

「客?」

「あら王女、わたくしを招いたこと、お忘れですか?」

か」


姫と知り合い、ってことは、姫の命を狙う人じゃなさそうだな。
よかった、また姫に怒られるとこだった。
それにしても、今度の人は魔女かなぁ。
こんなに見た目わかりやすい人久しぶりだよ。
リザさんは変身しなきゃ人狼ってわかんないし、令裡さんは普通に学校着てるのに吸血鬼だし。
その点この人はお決まりの黒い尖り帽子、黒いローブ、それに杖。
セーラー服なのは、やっぱり近くの学生さんだからかな?
わかりやすい人でよかった。


「今回のご用件はいかがなものでしょう?」

「くくっ、そう畏まるな。 お前がそんなだと気持ち悪くて仕方がない」

「あら、酷いですね。 王女を前にしてきちんとしていますのに」


すごいなぁ。
姫と対等にやりあってる。


「まぁいいです。 今回もお屋敷を直したらいいんですか?」

「それなのだがな、壊れたら勝手に直るようにはならんか。 このままでは常にお前にいてもらわねばならん」

「そうですね、最近呼び出し回数が増えてきてますしね」

「私はそれでも一向に構わないのだがな」

「わたくしが構います。 一応学生で今は試験中ですし」

「だから考慮してやっているのだ。 ありがたく思え」


うわー、やっぱり姫は姫だー。


「えぇ、そうさせていただきます。 それにしても自動修繕となると・・・かなり頂きますよ」

「あぁ、もちろんだ。 それなりの褒美は取らせよう」

「ならOKです。 さっそく取り掛かりましょうか」


魔女さんはチョークでテーブルに何か書いて、こっちを向いた。
姫もその後ろに続いて・・・。


「ヒロ、何をしている。 早く外に出ろ」

「ぅえッ?」

「他の奴らも呼んで来い、巻き添えを食らいたくなかったらな」



*



「哀れなお屋敷に魔女っ子の救済、です」


にこりと笑う魔女さんに、僕はもうわけがわからない。
フランドルに白線を引かせて、これは何かの魔方陣?


「これは移動用の魔方陣ではなかったか?」

「応用です。 ・・・いきますよ」


魔女さんはぶつぶつ呪文を唱え始めると、魔方陣から光が出てきて、なんだろう、えーっと、なんかぶわぁーってなって、次は?
え、もう終わり?
何も変わってない様に思うけど・・・。


「これでどれだけ壊れても次の日には直ってますよ」


へぇー、本当に魔女だったんだ、この人。
あれ、そういえば姫はどこに?


、礼はこの程度でいいか」


姫の手にはペットボトル。
中身はなんだろ、赤いけど・・・。 まさか、血?
いやいや、まさか。
だって姫の血は飲めば不老不死になれるけど、死んだ人にしか利かないし。


「あら、こんなにいただけるんですか? ありがとうございます」

「常々不思議に思っていたのだが、私の血の用途は何だ。 まさか人に飲ませているわけではあるまい」

「さぁ、どうでしょうね」


姫の血は不老不死になれるからなー。
令裡さんも欲しがってるし。
あれ、でも死んだ人以外が飲むと死んじゃうんじゃなかったっけ?
うーん、謎だぁ。


「それでは、王女の血確かに頂きました。 また御用があればお呼びください」


気がつけば、いつの間にか魔女さんは消えてて、姫たちはいつの間にか家の中に戻ってて僕1人だけが取り残されてた。
魔女って、本当にいたんだぁ。
てゆーか、姫はあっちの世界にどれだけ知り合いがいるんだろ。
まぁ、姫なんだからいっぱい知り合いがいて当たり前か。


「姫に人造人間に人狼に吸血鬼に魔女。 次は一体何がくるやら・・・」


怪物王女   2007 07 19
魔女っ子の魔法に満足したよ(ワンドリランキング)

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