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「野郎ども舵を取れ、行き先変更だ!!!!」
夜、日付も変わろうとする一時間ほど前。
急に船内にローの怒号が響いた。
夜も遅いけれど、深夜だとて夢の中に飛び立つよい子はあまりいないのがハートの海賊団だ。
あるものは賭博に一喜一憂し、あるものは酒を嗜み、よい子ならぬよい熊はハンモックの上でぐーぐー眠っていた。
そんな中での緊急伝令である。
船の無線という無線からローの声が響き、皆一斉に仕事モードとなる。
大急ぎで船長室へ向かったペンギンはノックもなしにドアを開け、部屋に飛び込む。
「何事ですか、キャプテン!!」
「俺はニャルニアへ行く!」
「あんたアホか!?」
ついうっかりというか、そう言わずにはおれなかったペンギンは速攻で長刀の柄で殴られた。
不幸にもカーペットと熱いキスをする羽目になったペンギンは、さらに不幸な事にどたどたと走って部屋に飛び込んできたベポに踏みつけられた。
ふぎゃっと叫ぶが、ベポには聞こえていないらしく右足で踏んで左足で踏まれ挙句の果てに閉まる扉に頭をぶつけた。
しかしベポはもとよりローもペンギンの事など眼中に入っていないらしく、興奮したようにベポの手を取り騒いでいる。
「アシュランだ、アシュランのたてがみを見たか!?」
「見てないよ、キャプテン!」
「喋るビーバー夫妻だぞ!」
「わからないよ、キャプテン!」
「というか、最後の動物パラダイス!!」
「知らないよ、キャプテン!」
つけっぱなしのテレビから 「ニャルニア国物語第三章、近日公開!」 と言っている。
床に倒れたまま目線だけでテレビを見たら、動物が二足歩行で喋って沢山出てきている。
嗚呼、どう考えてもこれだ、とペンギンは体だけでなく心も倒れた。
カーペットは残念な事に、入口付近だったため最初のふかふか感はなく、踏みつけられぺったんこで硬い。
「俺はニャルニアへ行くんだ!」
「アイアイキャプテン!」
何事かと慌てふためくクルーが、後にニャルニアってどこにあるんだ!?とさらに慌てることになるのはもう少し後である。
船長室で、何も知らないベポと夢見るキャプテンはニャルニアが何処にあるか海図を広げて真剣に話し合っていたそうな。
キャプテンとニャルニア国
(アシュラン…待ってろよ、俺はお前を仲間にする。絶対だ!!)
(そしてもふもふするんだ!絶対だ!!!!!)
(あ、でもキツネ、キツネもいい!裏切りそうで裏切らないあの憎めない奴も捨てがたい!尻尾もふもふだし!)
(聞けー、キャプテンいつもの病気発症中だー)
(なんだ、慌てて損した)
(今度は喋る動物のいる島か…)
(ベポがいるじゃん)
キャンフーパンダは、ベポがカンフーを取得しているのでさして心動かされなかったそうな。
それでも、なにあれ欲しい!ってなった。
リャイラの冒険は、熱が収まるまで相当日数を要求したらしい。
2011/02/27
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