「、」

「はぁい」

「あぁ、、わたくしの愛しい」



光秀が手を伸ばすと、小さくて柔らかい手がその手を握った。



「貴方に会えない時間が長かった。会いたくて会いたくて狂ってしまうかと思いました」

「うふ、可笑しなことを仰るのね」



の手を引き、光秀はを抱き寄せた。
甲冑を身にまとったままなので、固い甲冑に押し付けられることになって鉄の冷たさがの体を冷やす。
手枷をはめられているので抱き返すことはできない。
両手をつなぐ鎖は光秀を抱き返すほど長くない。ただ、じゃらりと金属音をならすだけだった。

地下なので灯りは光秀の持っている灯篭しかない。
暗い地下にの白い肌が映え、またその白い肌を炎の赤色と血の赤銅色が彩っている。
座敷牢だが畳が敷かれている。桐の箪笥には豪奢な一重が惜しげもなく仕舞われている。
足には足枷、手には手枷、目には目隠し。
それでもなお損なわれる事のないの美しい笑み。



「もう狂っているじゃない」



の胸には、わき差しが深々と刺さっていた。





2011/11/15
目次