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は不老にして不死である。
腕がもげても足を失っても、必ずまた元に戻る。
首と胴が離れても、元に戻る。
完全にして無欠の不死である。
つまりは、殺しても死なない。
「痛いわ、光秀様」
「、貴方がいないと私は駄目なんです」
光秀はを押し倒し、その上に馬乗りになる。
幼く小さいは簡単に押し倒す事が出来るし、その上に光秀が乗ってしまったらまず抵抗する事が出来ない。
元よりに抵抗するつもりなんてないけれど。
どっ、と小刀が振り下ろされてに刺さる。
何度も振り下ろされて、何度もに刺さる。
その度には振動で震え、身体から血が溢れだす。
痛いわ、と小さな声が抗議するが、降り注ぐ斬撃は止まらない。
「、、わたくしのいとしい」
は既に血塗れで、穴だらけで、事切れていた。
けれど、光秀はの身体を裂き続けた。
そして最後に強く強く抱きしめた。
「貴方の全て、貴方の死はわたくしのもの」
「死せる貴方は、死の間際の貴方は、この世の全てのなによりも美しい」
「愛しています、愛しています、」
「死を誰よりも多く知っていて、誰よりも死から遠い存在の貴方を、わたくしは愛しているのです」
早く生き返って、また死せる美しい貴方を見せてください。
死にゆく間際の虚ろなが、死んだ後の暗い瞳が、美しい。
光秀はの目隠しをそっとはずし、瞬きする事なくゆるりと開かれた瞳をうっとりと見つめる。
が再び息を吹き返す頃、はまた三途の川のほとりと座敷牢を往復する。
2011/12/11
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