「このアホエース!イタズラすんなつったろ!」

「落とし穴ほっただけだろ!いちいち怒んなよ!!」

「怒るわ、アホたれ!さっさと埋めないと昼ごはん作んないからね」

「かーちゃんのおにー!!」

「仕事で散々言われとるわ!!」


エース4歳、18歳。
いつの間にか大きくなったエースとは、ガープがいなくても暮らしていけるまでには成長していた。
ガープが家事を一切手伝ってくれないので、掃除洗濯炊事、一通りの事が出来るようになってしまっている。
そんなをエースはかーちゃんと呼ぶし、はまだ十代未婚なんだけど、とため息をつくばかりだ。
軍曹まで昇格したはいいが、まだまだ雑用の下っ端のは忙しい合間を縫って家に帰って来ている。
不在時はダダンがエースの面倒を見てくれているが、任せっぱなしというのも悪い気がする。
ガープはたまに帰ってくるだけで、逃げたな、とはガープの事を密かに恨んでいる。
大鍋でチャーハンを炒めながら、すっかり所帯染みてしまった自分もなんだかなぁと苦笑した。

エースは実にやんちゃに育ち、赤ん坊時代とはまた違った苦労を負うようになった。
本気で苛立つこともあるし、もう知るか!とブチ切れたことも何度もある。
でも、やっぱりエースを可愛く思うのは母性というやつなのだろうか。
はーやれやれ、と大皿にチャーハンを盛りつけ、スプーンとコップを二人分用意する。

「うめてきた!めし!!」

「はい、えらいえらい。手ェ洗っておいで」

「おう!!」


ばたばたと走り回るエースを見ていると、なんでもいっか、と思えるから不思議だ。
仕事と家事と子育てと、本当に忙しくて本当に大変だけど、たまに挫けそうになるけれど、こんな生活も悪くないとは笑った。






  
軍曹→コート着れるまであと2階級
2010/11/15