ざっと冷たい風が吹いたかと思うと、幽霊が消えていた。
部室内の点滅していた蛍光灯が元に戻り、冷たい隙間風は吹いていない。
とっぷりと日の暮れてしまった外には、校庭のライトの明かりがぽつぽつと見える。

けれども、自分たちは時が止まったかのように凍り付いている。
凍り付いているというのに、心臓がうるさい。
冷や汗が止まらない。
震え続ける全身。
呼吸が荒いが、声は出ない。



幽霊が、消えた。



視界に映るのは、破ったコックリさんの用紙を両手に持つ越前と、椅子に座ったまま動かない桃城だけ。
二人はまだ周囲を見る余裕がないようで、凍りついたままだ。
各言う自分自身も、動くのは視線だけで体はまだ動かない。
金縛り、というよりは、恐怖で全てが凍ってしまった。
もしかしたら、とんでもないことをしてしまったのかもしれない。
どうしようもなくて途方に暮れていたら、



「なんだ、まだ残っていたのか」














ようやく、時間が動き出した。
2018/03/02

←71!  →73!