哀川潤と名乗る女性はやたら攻撃的で艶かしい笑みを浮かべると、
の差し出された手を握り、そのまま引っ張り体制を崩させ、
硬く握った拳をの顔に叩き込んだ。
そして、は柔和で凍てつく笑みをたたえ、
殴った哀川の手を引き返しながら自分も揺れる視界で一歩踏み出し、鳩尾に拳をねじ込んだ。
「一応女だから顔はやめといたんだけど」
「一応男だから急所だけは避けてやったぜ」
殴られた頬だけではなく、口内や右半分までもがじわじわと痛む。
殴られた所為で内臓がゆれ、痛みと気持ち悪さがこみ上げる。
けれど、どちらとも笑っていた。
(愛って何だろう)
2008 04 15
← □ →
(ランキング参加中、クリックしてくださると嬉しいです)