「ふーん、アイカワはボクを殺しに来た殺し屋なんだ。あ、このタマゴおいしい」

「ちげーよ、請負人だっつってんだろーが。政府に言われて殺人犯を殺しに来たんだよ。流石紅茶の本場、美味いな」

「人に言われて人を殺す、殺し屋と変わんないよ。レモンティーは邪道、砂糖入れすぎ」

「あたしは請負人だって何回言わせんだ、ぶゎーか。タマゴサンドばっか食ってんじゃねーよ」



暴力は終わり、話し合いになりそうだったので、と哀川はとりあえず近くのカフェテラスに入った。
通りに面したパラソルの下でそれぞれ自分の食べたいものをウェイトレスに注文し、一息つく。
もそもそと口を動かすの目の前には、ハムとチーズとレタスの挟まれたサンドウィッチとツナとキュウリとトマトサンドウィッチが一様に並んでいた。
これらのセットには後もう一種類タマゴがあったのだが、がそればかり好んで食べるために他のばかり残っていた。
哀川はグラスに注がれたアイスティーに薄くスライスされたレモンを浮かべ、ガムシロップをグラスの底に溜まるほど入れ、それをストローを使わずそのまま飲んでいる。



「アイカワは強いねー。正直、ご飯食べるのに口開くのも痛いよー」

「お前も容赦ねぇな。腹が痛くて物が食えねぇよ」



の顔の右半分は赤紫に腫れあがり、哀川は痛む腹を撫でている。
互いに最初の一撃で相手の力量を悟り、それ以上争うことが無駄だと知った。
誰某構わず戦いを挑むほどは若くはないし、自ら進んで怪我を負うほど哀川はマゾヒストではなかった。







(美味しい!!)
2008 04 16
  

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