
お子さま行進曲
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「ごはーん!!!」 晩飯時、食堂へ一番へ駆け込むのはここ最近いつもだった。 勢いよく扉を開けて転がり込んでくる子供に、食事当番に当たっているものは豪快に笑う。 の食いっぷりは見ていて気持ちがいいし、何より自分たちの作った飯を旨いと全身で表現してくれるので作り甲斐がある。 子供だから沢山食べて大きくなるのも仕事の一つ、早く大きくなれよという意味も込めて、食堂では若干優遇されていた。 できたてをもらえたり、サービスでおまけがついたり、時間外でもまかないを食べることが出来たり。 今日もまだ料理がテーブルに並ぶ前にカウンターに飛びつけば、サッチが笑って迎えてくれた。 「今日はすっげぇぞ!!」 すごいなぁ、すごいすごい。 サッチを筆頭にみんなが口をそろえて言うものだから、は期待に胸を膨らませてカウンターの奥を覘く。 熱いから気をつけろよ、とサッチが鍋つかみで鉄板を持ち、テーブルに置いた。 「サッチ特製鳥の丸焼だ!」 ででん!と目の前に置かれた湯気の立つできたてほかほか、皮はこんがり綺麗なこげ茶色、てらてらとつややかな曲線、香草がふんわりと香りながらも肉のジューシィな匂いを引きたてられ、飾り切りされた野菜で綺麗に彩られた―――鳥の丸焼きだった。 偉大なる航路ならではの、超巨大サイズの鳥の丸焼きは食事当番たち会心の出来だ。 おー!というの感嘆の叫びを期待していたのだが、意外な事には静かだった。 笑顔のまま鳥の丸焼きを見て、そのままサッチを見て、また鳥を見て。 何度かそれを繰り返した後が発した言葉は、一瞬だけ食堂を静かにさせた。 「これ、マルコ?」 ← □ → 2011/04/04 |