
お子さま行進曲
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そういえば、と食事当番の一人が声をあげた。 周囲の者を手招きし、こっそりと喋る。 その話を聞いて、みんな思い出したようにあぁ、と声をあげた。 「マルコの奴、オヤジに頼まれごとしてて暫く船を空けてるんだったか」 動物系の能力者、羽を持ち飛行が可能な鳥型の能力者であるマルコは、よく傘下の海賊との連絡や交渉役として仕事を受けている。 広い海、ましてや気候が安定しない偉大なる航路の中、一人小舟を出すのは無謀すぎる。 その点能力者であるマルコなら一定の速度で移動可能だし、一番隊隊長を任されるほどの腕っ節の強さなので心配はいらない。 よほど遠くでない限り、一週間以内に用事を済ませて帰ってくる。 各隊長たちにはその事が伝えられるし、隊長によっては隊全員にその旨を伝える。 当然四番隊であるサッチも知っていたが、は? マルコ当人から聞いていないのだろうか。 いや、最近のマルコはよくの面倒を見ているし、伝えていないわけがない。 大方が聞いた事を忘れているか、マルコが説明を端折ったかのどちらかだろう。 しかし、大きな鳥の丸焼きを見て速攻でマルコと結び付けるとは、この子供はマルコを食べ物として認識しているのだろうか。 一人がに説明しようと口を開いたのを、サッチがふさぐ。 にやっと意地の悪い笑みが浮かんでいた。 「ちょっと…食糧難でな」 「や、やっぱしこれマルコ?」 「精々味わって食ってやってくれ。それがせめてもの供養だ」 はっとしたような表情の後、じわじわとの目に涙が浮かぶ。 目の前の鶏の丸焼きを見て、ついにぼろっと涙をこぼした。 「マルコー!マルコはがしっかりくってやるからな!?」 うわー!と鶏の丸焼きにかぶりつくに、キッチンにいた大人たちは笑った。 中には事態がマルコの耳に届きお叱りを受けるのを恐れ、いいのかなぁ、といったような表情の者もいたが、隊長格であるサッチがげらげら笑っているのでつられて笑っているものがほとんどだ。 がやがやと夕飯時の食堂に人が入ってくる。 みんな何事だと騒ぐを見て、の叫ぶ言葉を聞いて、意地悪く笑うサッチを見て、おおよそが現状を把握してこちらも豪快に笑う。 「うぅ、マルコのとーといぎせーはむだにしないからな!?がどんなにまずくてもちゃんとくってやるからな!!」 わはははは、といつも騒がしい食堂が、今日は一層賑やかだった。 ← □ → 2011/07/17 |