お子さま行進曲



「おーはーよー!!!」


の元気のいい挨拶が響いた。
久しぶりに聞くの威勢のいい声と、明るい笑顔。
白ひげ海賊団のムードメーカはやはりこうでなくてはいけない。
船内に活気が戻る。


「あ、エースだ!」

「ようやく復活か、また煩くなるぜ」

「うひひ、またちゃんとエースの面倒見てあげるよ」


エースとがじゃれあうのも、久しぶりだった。
ぐりぐりと頭をなでられ、きゃたきゃた笑う。
甲板で騒いでいたところで、また声がかかった。
すごくすごく久しぶりに感じる声に、は自身が高揚するのがわかる。




「マルコ!」


マルコに呼ばれたは、マルコに駆け寄った。
その顔には喜色が満ちている。それでこそだ。
どうやら元に戻ったらしいにマルコは一安心した。

けれど、ここでいつもならば飛びついてくるが今日はマルコの前で止まった。
てっきりいつも通り抱きついてくるものだと思っていたマルコは、肩透かしを食うこととなる。
構えていた腕が、行き場を失って少し悲しいことになってしまった。
やはりまだどこか調子が悪いのかとマルコは不安になる。
目の前にいるはじっとマルコを見つめる。

沈黙。

は急に視線を外したと思うとあーだーのうーだの呻きだし、またマルコの顔を見たと思うとすぐ背けた。
そわそわして、もともと決しておとなしい方ではなかったのだが今日は特に挙動不審だ。
先ほどまでいつも通りだったのに、おかしい。
そわそわそわ、きょろきょろきょろ、おどおど…は、してないか。


?」

「ひっ!あ、な、なにかな!!」

「いや、そりゃこっちの台詞だよい。や、呼んだのは俺か」


が視界に入れば、つい呼んでしまう。
これはが幼いころからそうだった。
呼ぶと嬉しそうにやってくるから、全身で嬉しいというのを表してくれるから用がなくても呼んでしまう。
今目の前にいるは、いつも通りだけど何処か違う。
落ち着きがなくて、目を見なくて、まるで何かを隠しているような。


「あ、えと、ま、マルコ!」

「なんだよい」


こころなし緊張した面持ちで、が叫んだ。
何か重大発表でもされるのかと、身を固くする。


「こ、これから、よろしく、ね!?」

「はぁ?」






 
遠くでサッチ、大爆笑。
2010/10/03