お子さま行進曲



はエースの良き喧嘩相手で、親友で、大切な仲間だ。
男ばかりの中、たった一人女の戦闘員で。年齢も近い、なんでも話せる大切な友人だ。
よく喧嘩して怒ったり叫んだり殴ったりしあうけど、それでも喧嘩のあとには笑いあえる。
いつも楽しそうに、幸せそうに、明るく元気に笑っている。
その笑顔が好きだ。見ているこっちも笑顔になれる。

どこまでも純粋で、無垢な少女。
いつでも笑顔で、元気を振りまく彼女。
純粋無垢で、無邪気に輝く笑顔。

どこかでわかっていなかった。
彼女は少女であり、守るべき対象なのだと勝手に思っていた。
女で、自分よりも年下の少女で。
守らなければと、思っていた。
は女で、少女なのだから。

けれど、海賊でもあった。

小刀を携え、人の首を切断し、血を浴びる姿なんて見たくなかった。
死体を物として扱い、蹴飛ばし、踏み付ける姿なんて認めたくなかった。
あまりにも普通に人を殺すなんて、人を殺して楽しいと笑うなんて、知りたくなかった。


「お前は、人を殺すんだな」

「そうだよ?だって、殺さなきゃ死んじゃうじゃん」

「でも、今回は別に殺さなくったって良かっただろ?」

「んー、そうだけど。腕が鈍っちゃうよ」


の過去は知らない。
ただ、は今現在、どうしようもなく海賊だ。


「いざという時殺せなきゃ、意味ないし」


の言うことはもっともだ。
エースだって仲間を守るため、スペードの海賊団時代は大勢の人間を殺してきた。

でも、だけど。

には、こういう犯罪を犯して欲しくないとどこかで思っていた。
笑って、綺麗な世界で生きていて欲しかった。
いや、綺麗な世界で生きているを見ていたかった。
お姫様よろしく守られているなんて想像できないけど、同じくらい、人を殺すなんて想像できなかった。したくなかった。

幻想だった、女の子なんだから笑っているだけだなんて。
は海賊船に乗り、四皇白ひげエドワード・ニューゲート率いる白ひげ海賊団の戦闘員なのだから。


立派な、殺人者で、犯罪者なのだ。


「エース、飲もっ!ほら、かんぱーい!」

「そうだな、酔いたい気分だ」






 
2011/02/24