お子さま行進曲



「うぅぅ、惚れた腫れたはむつかしいな?」

「てゆーか、お前は惚れた腫れたの知識があんのか?」


マルコの注意がサッチに向いたのをいいことに、はさっさとその場を離脱していた。
逃げ込んだ先は、エースの元。
偶然にも見張り役だったエースの元に、マストを駆けあがり隠れていた。


「どーしたら、いいのかなぁ?」

「どうもこうも、好きって言っちまえばすむことじゃねぇの?」

「好きって言ったら、どうなる?」

「そりゃぁ…両思いで…思う存分いちゃつけんじゃね?」

「いちゃつくかぁ」

「まぁ、お前らは日頃っからいちゃついてるようなもんだけどよ」

「そぉ?」


実のところ、付き合うとかよくわかっていないは首をかしげる。


「好きなんだよ」

「おう」

「でも、そっからどうしたらいいのかわかんない」

「ちゅーしてぇとか、ヤりてぇとかねぇの?」

「うーん、ないなぁ。、マルコとずっと一緒にいれればそれでいい」

「そりゃあ、あれだ、結婚願望っつーんじゃねぇの?」

「うえぇ、結婚んんん!?嫌だよ、あれでしょ?毎日ご飯作っていってらっしゃいのちゅーするやつでしょ?」


モビー・ディック号という箱庭の中から外に出ることもなく、ただひたすらに囲われて育てられたは、どうにもバカで、知識に偏りと屈折が見られる。
特に常識方面と恋愛関連の二つは教えるのが荒くれ者の海の男たちなので、海賊としての常識だったり浪漫だったりで碌な事を覚えていない。というか、ろくでもないことしか覚えていない。
素直にまっすぐ育ってくれたことが救いだが、悪い方にも良い方にも傾いているのが難点だ。


「つーかさ、好きって言うことからはじめりゃいいんじゃねぇの?」

「んー、マルコ、のこと好きかなぁ?」

「好きか嫌いかで言や、好きなんじゃね?」

「それ、とおんなじすき?」


きょとりとこちらを見てくるに、答えを教えるのは簡単だ。
おそらく、いや、きっと。マルコはの事が好きだ。女として。恋愛感情で。
ここで、言ってしまえばは自信を持って告白しに行くのだろうか。
それは、何かが違う気がする。
結果は同じでも、過程が違う。
過程が違えば、他の何かも違ってくるだろう。


「本人に聞きゃぁいいだろ」

「うぅぅ、なんか、聞くの恐いよ?」

「みんなそんなもんだ」

「そんなもん…かァ。よし、、頑張る!」


ぽん、とエースがの頭を撫でた。


「あれ、そういえばマルコっていつ言った!?」

「俺くらいのレベルになると、なんでもお見通しだ」

「エースバカなのに!?」

「人がせっかくアドバイスしてやったのにその態度か!?」







  
2010/12/31