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「なんだんだ一体これは!!」 マリンフォード海軍総本部センゴク元帥執務室。 センゴク本日二度目のどなり声である。 「どーしたのよ、昼間っから癇癪おこしちゃって」 「どうしたもこうしたもあるか!まったく海軍を馬鹿にしおって!!」 怒鳴り声を聞きつけてのそのそやってきたのは、青雉クザン大将だった。 歳とるとすぐ癇癪起こすよねぇ、やだやだ、でもおじいちゃんだし話聞いてあげないとこっちにしわ寄せというか当たってくるから話聞くくらいはしてあげないとなぁ、なんて考えるおじいちゃん思いクザン。 どうやら怒りの根源はデスクの上に散らばっている手紙らしい。 海軍ではなくセンゴクに直接届く手紙なのだから、センゴク個人に届いた手紙だろうか。あるいは海軍上層部からの手紙か。どちらにしろそれがセンゴクの癇癪の原因らいしい。 見てもいいのかなー、なんて思いつつも興味があったので遠慮なくぺらりと手紙をめくった。 「わぉ。これセンゴクさんのお孫さん?」 「んなわけあるか!!!!」 だん!とデスクを叩き、怒りでぷるぷるしている。 クザンが手紙を思って見たものは写真だった。 写真は何枚もあって、どれも可愛い女の子が写っている。 これのどこに怒る要素があるのか、そもそもセンゴク個人に宛てられたこの写真は何なのか。 色々考えるけれど、めんどくさいからセンゴク本人にご説明いただこうと思う。 どうせ何も聞かなくても、勝手に説明してくれるだろう。 ちらりとセンゴクを見れば、たまった怒りを吐き出すかのように大声で話し始めた。 「どこの世界に!手配書の写真を自分から送りつけてくる馬鹿がいるんだ!!」 「え、この子海賊なの?うっそぉ」 女海賊がいないではないが、それでもまだまだ女が珍しい海賊世界だ。 ましてや、10代に見えなくもない可愛い女の子が海賊だなんて。 大海賊時代はいつからか若者のあこがれになってしまったのだろうか、海賊だなんて犯罪者以外の何物でもないのに。 ちょっと思う事はあったが、まぁ大体センゴクが怒っている内容は把握した。 「天下の海軍元帥に “この写真で手配書作れ!” って送ってくるのはねぇ。怒りたくもなるよねぇ」 「まったく!いったい何を考えてるんだ黒ひげの奴!!」 「え、この子黒ひげんとこの子なの!?」 黒ひげと言えば、つい先日七武海に入ったばかりのえらく悪人面な海賊である。 強面の連中ばかりで仲間も極端に少ない、ちょっとわけのわからない海賊団だった。 そんな海賊団に、こんな可愛い子がいるだなんて! ちなみに、青雉クザンイイ歳独身貴族。モテるが仕事一筋、ちょっと遊びはするもののやっぱり一人身。 一体こんな凶悪なおっさんのどこがいいのかねぇ、と写真を見てひとりごちた。 「で、どうすんの。この写真」 「どうするもこうするもあるか!」 「使ってあげなよ、せっかくだし」 「あいつら海賊風情の言う事を聞けと言うのか!?」 「まぁまぁ。わざわざブンヤから写真買う手間省けるじゃない」 「ふん、奴らに頼らんでも海軍の誰かに命ずれば写真くらいすぐ撮ってこれるわ」 頭の固いおじいちゃんだな、と思いつつもセンゴクの気持ちもわからないではない。 そりゃー海賊の送ってきたものを使うだなんて、海軍上層部からしたらとんでもない屈辱だろうとは思う。 でもまぁ、名のある海賊ではないし、いいんじゃないかとも思う。 ここら辺はセンゴクのプライド次第だろう。 可愛い女の子に免じて、ちょっとだけ加勢してあげよう。 「ま、いいじゃんいいじゃん。せっかく手元にあるんだし使ってあげようよ。懸賞金いくら?」 「懸賞金かけるまでもない小者だ」 「わー、それなのに写真だけ送って来ちゃったのかー、あいたー」 自意識過剰すぎる小娘のいいなりになるのがよほど悔しいのだろうか、センゴクはひたすら渋い顔をしている。 そこをなだめすかして手配書を作る流れへともって行き、正式に会議にかけられ、一応黒ひげ海賊団だし…、ということで、懸賞金1万ベリーで手配書は発行された。 * 「わぁ!見て見て船長、ボクの手配書だよ!!!」 「ゼハハ、これでお前も札付きだな」 「これでますます有名になっちゃったね!うふふ!」 より知名度が上がる事が嬉しいのは、彼女がアイドルだからである。 ちなみに、の写真だけでなく黒ひげ海賊団全員で撮った集合写真やら個人写真も撮っており、がアルバムを作っていたりする。 余談 この後世界を揺るがす大戦争で世界デビューを果たしたアイドルの初期手配書として、賞金以上の額で取引されるようになったとか。 「だってボクはアイドルだからね!印税入ってこないのは残念だけど!」 2011/10/30 ← ◇ |