■優しい微笑みは白か黒か、病弱腹黒最強部長

「魔女っ子です、どうぞよしなに」


ぴきゅりーん☆

とドアを開けて普通に俺の病室に入ってきたのは、黒い三角帽子をかぶって、やっぱり黒いローブを羽織って、その下にはセーラー服を着て、お決まりのステッキを持った魔女っ子さん。
ふふ、今日はなんだかいいことがありそうだな。


「こんにちわ、魔女っ子さん」

「こんにちわ。 貴方の願いは何ですか? 今なら魔女っ子がなんでも1つ叶えて差し上げます」


聞いた? 願い事を叶えてくれるんだって。 やっぱり今日はいいことがあった。


「それだったら、今日はみんなにお見舞いに来て欲しいな。 今日は診察の予定も何もないから少し暇なんだ」

「みんな、とは?」

「立海のテニス部レギュラー。 楽しいんだよ」

「そうですか。 あの、つかぬ事をお聞きしても宜しいですか?」

「うん、どうぞ」

「不快な思いをさせてしまったらすみません。 普通、こういう場合でしたら自分の病気を治すのを願い事にするんじゃないんですか?」


ちょっと驚いたけど、そういえばそうだなぁ、って思った。
うん、もちろん俺だって最初はそう考えたよ? 
でもね、やっぱり自分のことは自分で何とかしなきゃいけないと思うんだ。
この病気だって決して不治の病というわけじゃないんだし、これから手術もする予定だし。
真田たちも応援してくれてるしね。
きっと、魔法を使わなくても治ると思うんだ。 少なくとも、俺はそう思ってる。
だから、今回は違う願い事にしてみたんだ。


「これが、理由かな」

「・・・・・・・・・・世の中できた人もいるものです」


俺の思ってることを言ったまでだから、褒められるとなんだかくすぐったいな。


「では、改めて貴方の願いを叶える事にしましょう」

「あ、その前にちょっといい?」

「はい、なんでしょう?」

「名前、教えて欲しいな」


やっぱり、こうして仲良くなったからには名前くらい知っておきたいだろ?
魔女っ子さんと友達だなんて、素敵じゃないか。


です、。 そちらのお名前をお伺いしても?」

「幸村精市だよ。 ねぇ、。 は俺の願いを叶えたらどこかへ行っちゃうの?」

「はい、そういうことになりますね」

「もう会えない?」

「いえ、会おうと思えばいつでも」

「そう、良かった。 とは良い友達になれそうだから、また会いたいな」

「奇遇ですね、わたくしも精市さんとは仲良くなれるような気がしておりました。 これ、連絡先です。 いつでも気軽にご連絡ください」


渡されたのはメールアドレスと電話番号の書かれた紙。
うーん、携帯のアドレスかな。
今度さっそく連絡させてもらおう。


「それでは・・・」


素顔、朝顔、良いお顔、笑顔がいちばーん  立海テニス部レギュラーよ、精市さんのお見舞いにこーい


「あぁ、シルバー王女の」

「レパートリー豊富ということで」


では、とは来たときと同じように ぴきゅりーん☆ と言う効果音を出して、平然とドアから出て行った。
それと入れ替わりに真田たちがやってきた。 わぁ、やっぱりって本物の魔女っ子だったんだね。
ふふ、と友達になれたなんて、俺ってばラッキーかも。 (あ、千石君の真似じゃないよ?)
俺が余りにも可笑しそうに笑っていたらしくて、真田が声をかけてきた。


「今日はやけにご機嫌だな」  (たるんどる)

「あはは、わかる?」

「口の緩み方がいつもより3割増しだな」  (目をつぶってるデータマン)

「とっても素敵な友達が出来てね、さっきまで話してたんだ」

「へぇ、幸村君のご友人ですか。 是非ともお会いしたいですね」  (紳士)

「そうだなぁ、みんなが来るまで一緒に居てもらえばよかった」

「ま、幸村がそこまで気にいっとるんじゃ。 きっと良い奴じゃろうて」  (何弁喋ってるかわからない)

「うん、とっても素敵な子」



「そのうち紹介するよ。 みんな、きっと気に入るよ」


幸村精市   2006 07 24   
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