■無表情で年相応に見えない人
「魔女っ子登場☆ 貴方の願いはなんですか?」
ピロリロリン。
箒に乗り大きくて黒い三角帽子を被り同じく黒いマントを羽織ったセーラー服の女子が目の前に現れた。
不思議なことに、台詞と表情が一致していない。 棒読みだ。
「見た目どおり魔女っ子です。 貴方の願いを叶えて差し上げます。 さぁ、どうぞ」
「俺の願いは青学を全国優勝させることだけだ」
「いいでしょう。 その願い叶えて差し上げます」
まて、その杖で何をするつもりだ?
余計なことはしないで欲しい。
他人の力でどうこうなるような問題ではない。
これは自分たちの力でやり遂げてこそ意味のあることなんだ。
言うと女子は瞬き、小首を傾げた。
何か不思議なことでもあったのだろうか。
「・・・いいんですか? 優勝、したいんでしょう?」
「これは俺自身の目標であって他人に叶えて貰うつもりはない」
「そうですか、目標があるって素敵ですね。 では、なにか些細なお困りごとはございませんか?」
「そうだな、明日は部活なのだが家の用事と重なっている。 用事を部活の無い日にしてもらえるととてもありがたいのだが」
「任せてください、お安い御用です」
パリルパラリルドリリンパ ティアランティアランマリリンパ ミンキータッチで日にちよ、入れ替われ
「それは変身魔法ではないのか?」
「ご存知でしたか。 いいんです、魔法の呪文を唱えることに意味があるので。 さぁ、これで明日は部活が出来ますよ」
「あぁ、助かる」
ピロリロリン。
では、と一礼すると女子は消えた。
そう言えば、最初に出会ったときも唐突に現れたな。
一体彼女は何者だったのだろう。
手塚国光 2006 06 05
