■生意気ちびっ子
「魔女っ子登場☆ 貴方の願いはなんですか?」
ピロリロリン。
箒に跨って現れたのは黒くて大きい三角帽子を被って黒いマントを着て妙な杖を持ってセーラー服を着た女。
「アンタ馬鹿?」
「初対面の人に失礼ですよ。 あぁ、まだ小さいから人に向かって暴言を吐くな、なんて教えてもらっていませんでしたか、それは失礼。 いいですか? 人に向かって馬鹿とか言っちゃいけませんよ」
そっちだって、かなりムカつくんだけど。
つーかさ、いきなり現れたよね?
一体なんなんだよ、見た目からすると魔法使い・・・のコスプレ?
PTOを弁えなよ、ここ公共の場だよ。
「今なら願い事を無償で叶えて差し上げますので、さっさと言っちゃってください」
うーわ、マジでなりきっちゃってるよ。
手に負えないんだよね、こーゆーのって。
「あのさぁ、俺、忙しいんだよね。 さっさとどっか行ってくれる?」
「そういうのは願いにカウントされません、他の願いでお願いします」
「だから、そーゆー妄想は別の人に言ってあげなよ。運がよければ相手にしてもらえるかもしれないよ」
バイバイ、っつって歩き出した、と思ったら腕を掴まれた。
本当に何?
俺ってばとんでもない人物に出くわしちゃったの?
はぁ、めんどくさい。
「願い事、まだ言っていただいていません。 なんでもいいので言っちゃってください、でないとわたくしとても困ります」
「だからさぁ、俺忙しいんだってば、あんた妄想激しすぎ。 何? 自分が魔女っ子だって本当に思ってんの? 馬鹿じゃない?」
「・・・いいんですよ、わたくし、躾のなってない餓鬼の戯言に一々怒りを感じるような未熟者では有りませんので。 ですが願い事を言っていただけないのはとても困ります、なので、さっさと言いやがれ、です、糞餓鬼。 いまなら魔女っ子が貴様ら凡人には出来ないような素晴らしい事を魔法でやって差し上げますので」
にっこり、とそりゃもう満面の笑みで言われた。
にゃろう、そこまで言うなら言ってやろーじゃん。
俺ら凡人には出来ねーようなとびっきりの奴をな。
「じゃあさ、今からアメリカへ連れてってよ。 それも、瞬間移動で」
どう? 出来ないでしょ? だからさっさと願い云々言うの止めてさ、俺の前から消えてくんない?
「心優しいわたくしは聞いて差し上げます。 それは片道ですか、往復ですか?」
「へぇ、叶えられるんだ?」
「魔女っ子を舐めないでください。 まぁ、世界を知らない無知なお子様にはわかなくても仕方ないでしょうが」
「 (ホントいちいちムカつく女だなぁ) 往復。 ちゃんと日本のこの場所へ戻してよね」
「任せてください、お安い御用です」
テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、アメリカへレッツゴー
アッコちゃんって変身呪文だよな・・・?
呪文まで唱えちゃってさ。 どうせ出来っこないのに、バカらしい。
「はい、アメリカに到着です。 本当に此処がアメリカかどうか確かめますか?」
「見苦しいよ、どうせさっきの場所と変わってな・・・・・・・・・・・・!?」
「ちゃんと周りを見て判断してください。 現在地はニューヨークリバティ島にある自由の女神の展望台の中です」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジ?」
「おおマジです」
確かに、此処は自由の女神の展望台だった。 (昔来た事ある)
セットとかじゃないよね? (自由の女神の展望台で、見える景色もニューヨークで間違いないんだけど、疑ってみたくもなる)
「それでは帰りましょう」
ラミパス、ラミパス、ルルルルルー
っつって魔女っ子が唱えると、元の場所へ戻ってた。
んでもって、気付けば
ピロリロリン。
って出てきたときと同じ効果音で消えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一体、なんだったわけ?
魔女っ子とか言ってたけどさ、マジで誰か俺に何が起こったのか教えてくんない?
結局訳がわからないまま混乱しっぱなしで1日を過ごして、不快な記憶に分類される今日のことを忘れることにした
越前リョーマ 2006 08 01
