■ラッキー☆
「にゃにがにゃんだー、魔女っ子です」
ドロロン。
って登場したのは女の子。
例え大きな黒い三角帽子をかぶって、黒いマントで、セーラー服着てて、魔女っ子ステッキ持ってる魔女っ子のコスプレしてても女の子。
うん、顔は悪くないし、こんな子に声掛けられてオレってばラッキーかも♪
「貴方の願いを1つ叶えて差し上げます。 さぁ、どうぞ」
「うん、そっかそっか。 じゃぁ取り合えずお茶でもしよーか」
「その手の願い事は却下です、魔法を使った願い事をしてください」
「え、だって
オレに声を掛けてきたって言うことは逆ナンでしょ?
うん、キミみたいな可愛い子に声を掛けられてオレってばラッキー! 断る理由もないし、一緒にデートしようよ!!」
「・・・・・・・・・すみません、個人的にナンパは好きじゃないので殴ってもいいですか?」
えー、話が違うよ?
わわ、ってゆーかマジで構えないでよ! オレ殴られるのとか痛いこと嫌だし!!
「あのさ、逆ナンじゃないの?」
「
貴方馬鹿ですか? 阿呆ですか? 脳内お花畑ですか?
わたくし、貴方を遊びに誘った記憶など欠片もありません。 それとも声を掛けられたからって勝手に勘違いですか? 妄想も大概にして欲しいですね、付き合わされる身にもなってください」
うわー、はは、なんだか徹底的に言われちゃったなー。 こりゃ参った。
女の子にここまで言われるとなー・・、キヨスミ、落ち込んじゃう。
「喜怒哀楽の激しい人ですね。 落ち込むのは勝手ですが、願い事をさっさと言ってください」
「うぅ、キミが慰めてくれたら立ち直れるかもー」
「
ウザいです
」
がーん! 死者に鞭打つ辛辣なお言葉!! しかも無表情できっぱりと!!
これ、暫く立ち直れなさそー・・。 今日のオレってアンラッキー。
ぐすん、キヨスミほんとに泣いちゃうぞ・・・。
「・・・もしかして、泣けばいいのにって思ってたりする?」
「あら、貴方エスパーですか? よくわかりましたね」
うっそぉ! マジで? まーじーでぇー!?
オレさ、こう見えてもモテるのよ! だからさ、女の子にちやほやされるのがいっつもだったわけよ!!
それなのに、にっこり笑ってオレが泣けばいいなんて思ってるなんて!!
初対面なのに、もしかしてオレって嫌われてる?
「とっとと願いを言ってくださいませんか? わたくし、無駄な時間を過ごしたくありませんので」
「慰めて?」
「わたくし、どんな願いも叶えてみせるというポリシーがあるのですが、
嫌なものは嫌ですね。
それにわたくしは魔女っ子ですから、魔法を使わない願い事はどちらにしろ却下ですし」
なんてゆーか、始終笑顔できっついこと言われてない? オレ。
「さぁ、願い事を言ってください。 叶えて差し上げますので、さっさととっととはっきりきっぱり言っちゃってください」
「えー、だってそれ言ったらどっか行っちゃうんでしょー? そんなの寂しいなー」
「いずれにせよ後々消えるので、時間の問題かと思いますが」
・・・ふーん、そこまで言われちゃうんだ、オレ。
もういいもん。 そこまで言うんならオレだって考えがあるんだから。
こういうのって大抵、この手の願い事をするのがセオリーだよね。
「君のような魔女っ子にずっといっしょにいて欲しい!」
だってだって、ここまで女の子に邪険にされたのはじめてなんだもん!
プライドが傷ついたって言うか、オレのガラスのハートが粉々っていうか・・・。
嫌われたままっていうのは辛いんだよね! だからさ、仲良くなろうよ!!
ずっと一緒にいたら仲良くなれるかもしんないでしょ?
オレも女の子と一緒に居られて楽しいし、一石二鳥!
「・・・もう1度聞きます、願い事は?」
「ずっと側に居て欲しい」
「まぁ、別にいいですけど・・・。 それは当然わたくしの方へ付き従ってくれるのですよね? そちらがわたくしの側に居る事を望むのでしたら、こちらにあわせるのが当然ですよね? よもや自分が願いを叶えてもらう立場だからって、なんでも思い通りになるとは思い上がらないでくださいね。 わたくしだって人間なんですよ、束縛するのならそれ相応な対価を頂きたいものです。 貴方に対価が支払えるんですか? わたくし、次元の魔女さんよりかは良心的ですが、それでもしっかりとお代は頂きますよ? 見たところまだ学生ですし、人生これからです。 こんなところで人生を棒に振るのもどうかと思いますね」
「・・・・・・・・・・・・・・・えっと?」
これって、明らかな拒否だよね!?
最初は一緒に居てくれるっぽいこと言ってるけど、最後のほうは完璧断ってるよね?
遠まわしに嫌がってるよね?
くそー、今までこれで落ちない女の子いなかったのにぃ!!
しょんぼりキヨくんの潤んだお目目の上目づかい、必殺技なのにぃ!
「いい加減願い事を言ってくださらないと、わたくしとしてもぷっちん切れちゃいそうなのですが・・・」
うわわ、杖を構えながらそんなこと言わないでよ!
ちょっとしたジョークじゃん、冗談!
「え、えっとね、あ、そーだ! 今度デートしようよ! それくらいなら大丈夫・・・でしょ?」
まさかこれもダメだなんて言わないよね?
ダメじゃないよね? これくらいならOKだよね?
もしダメだとしても、ちょぉーっとくらいオマケしてくれてもいいよね?
これまで散々オレの願い事却下してきたんだから、これくらいならいいよね?
かなり妥協したじゃん! ね、いいでしょ、お願い! ね!
「・・・・・・まぁ、わたくしとしてもこれ以上こんなくだらないことに時間をかけてわたくしのプライベートな時間まで犯されたらたまりませんので、今のところはそれで妥協してあげましょう」
え、マジで!? やったー!!
今更嘘でした、とか言うのなしだかんね! もう聞いちゃったからなしにはなんないよ!
いやさ、実のところ、まさか聞き入れてくれるとは思ってなかったわけよ。
それがまさかの展開! ぃやっほー! やっぱオレってラッキー☆
「その時までに願い事を考えておいてくださいね。 次回はくれぐれも今回のようなふざけたことを言い出さないでください。 もし次回もそんな事になったのなら、わたくしとていい加減見限らせていただきます」
では、って女の子は ドロロン って消えちゃった。
うーん、今更なんだけどさ、これって現実だよね? 実は夢でしたー、ってオチじゃないよね?
アタタ、うん、ほっぺ抓ったら痛かったから、現実だ。
・・・・・・・・・・・オレってば、もしかしてすごい約束しちゃったのかも。
*
後でもっかい魔女っ子さんと会ったんだけどね、
あれ絶対デートじゃないよ!
オレの奢りでファミレス行って、そこで願い事叶えてもらって・・・。 (どんな願い事かはナイショ! ちょっとね、ちょっとね!)(色々あったんだよ)
唯一の収穫は、魔女っ子さんの名前くらいかなぁ・・・。 ちゃんって言うんだって!
ちゃん、また会いたいなぁ・・・。
千石清純 ネタ提供有難うございました! 2007 02 04
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