「…やーっぱなんも起こんないっスね!」



桃城の言うとおり、僕と桃城と越前の人差し指の置かれた十円玉はぴくりとも動かなかった。
僕はあまりにも予想を裏切らない展開に、そうだね、と少し笑う。
そう、コックリさんなんか単なるうわさでしかないんだ。よくある都市伝説。与太話。
だから、本当は信じちゃいなかった。
指を置いた十円玉が動くなんて、これっぽっちも思っちゃいない。
もし動いたとしても、それは誰かが意図的に、あるいは作為的に、もしくは無意識に動かしていると何かの本で読んだことがある。
幽霊なんて、お化けなんて、妖怪なんて、この世にいるわけがない。



「ちぇっ、桃先輩がおもしろいってゆーから付き合ったのに」



越前が口を尖らせて文句を言う。
そのままお開きになる流れで、誰もが指を十円玉から離そうと、席を立とうとした。














ぴたりと、動けなかった。
2008/11/05

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