迷い込んだ此処は何処だろう、とは辺りを見渡す。
廃墟だった。
無彩色が並び、日の光が遮られるほど暗く重い雲が空を覆う場所。
ひゅう、と吹く風からはコンクリートや鉄の無機質な薫り。
聞こえたのは風の音と、自分以外の何者かの足音。



「チャオ、貴方は誰?」

「聞き返す、お前は何者だ?」

「ボクの名前は

「何をしにきた?」

「多分、貴方と戦いに来たんだと思う」



はにっこりと嬉しそうに微笑んだ。



「ねぇ、貴方の名前は?」

「クロロ・ルシルフル」

「クロロ。ねぇ、クロロ、ボクと戦ってよ」

「死んでもいいならな」

「ふふ、そうこなくっちゃ」



ファー付きの背中に逆十字を背負った黒いコートを着ている、
黒髪のオールバック―――クロロは溜息をついた。







2006 07 02

  

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