「 “念” ってなぁに?」



きょとりと訊ねるにクロロは軽い頭痛を覚えた。
それなりの力を持つものは自然と耳にすることもあるだろう。
この世界で “念” は強者は必ずといっていいほど習得している
必要最低限のスキル。
なのにどうしてが念のことを知らないのか。



「あぁ、それはボクがこの世界の人間じゃないからだよ。ボクの世界には “念” なんて存在しなかった」



爆弾発言を軽く言い放った
クロロは頭痛を通り越して眩暈を覚えた。
“この世界の住人ではない” どういうことだ、それは。
世界というのは、世界なのだろう。世界が国を表すとは思えない。
となると、世界とはこの地表すべてをさす言葉なのだろう。
だとすると “この世界の住人ではない” という言葉の意味はつまるところ、どうなのだ。
概存する意見を言えば、異世界、というのが当てはまる。もしくはパラレルワールドだとか、過去だとか。
言い出してしまえば限がないが、要するにそういうことなのだろう。
クロロは一瞬の間に思考を巡らせ、考えるだけ無駄だという結論に至った。



「どうして、お前はそんな大事なことを今更になって言うんだ」

「別に言わなくたって問題ないでしょ?」



確かにそうだが、なんと言うか、心構えの問題である。
知っているのと知らないの、この2つの差はとても大きい。



「ま、そんなことおいといてその “念” って奴を教えてよ」



“そんなこと” と軽く流せる程の事ではないが、本人がそういうのなら気にしなくてもいいことなのだろう。
クロロはが異世界人だろうとどうだろうと、クロロや旅団に害がないのならどうでもいいことだ。
とにかくクロロはせがむに答えるべく “念” について説明した。
は椅子に座っておとなしくクロロの説明を聞いていた。



「ふぅん、微妙・・・、だな」

「微妙?なにがだ?」

「念。それはこちらの世界特有の能力かもしれないでしょ?せっかくこっちで習得できても向こうの世界で使えなかったら意味がないよ」

「確かにそうだな。だが逆もまた然り、向こうでも使えるという可能性がないわけじゃない」

「どうしよっかー、無駄な努力はしたくないな」



ごろりとはクロロのベットに横になる。
こちらもの部屋同様マットのない硬いベットだったが、そんなこと気にせずごろごろしていた。
年相応には見えないその行動も、がやると絵になった。
クロロは手に持った古書を読みながらの返答を待つ。



「まぁ、好きなようにしろ。お前のことなんだからな」

「うん、そうだよね。じゃ、やる」



ベットに転がったまま枕を抱き、は言った。
先ほどまで悩んでいたとは思えないほどの即答だった。



「物は試しだし、自分の知らないことを知るのは楽しいしね」

「お前は本当に気紛れな奴だな」

「クロロもね」







2006 07 02

  

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