「君、誰だい?」

「ボクは、キミは?」

「僕はヒソカだよ」



他のメンバーは全員出かけていて、クロロも出かけているので、は暇だから広々としたリビングのような場所で クロロの部屋から勝手に取ってきたわけのわからない記号のようなもので書かれている古書を、理解できないのに読んでいるときだった。
ピエロのようなメイクをほどこした男が唐突に現れ、に声をかける。

ヒソカはしばらくホームに立ち寄っていなかったが、偶然近くを通りかかったので久しぶりに顔を出すことにした。
するとホームに知らぬ気配を感じたので、若干の警戒を持ちながら、どうどうと部屋の真ん中でくつろいでいる人物に声をかけた。
別段殺意も攻撃を仕掛けてくる様子もないので、ヒソカは適当にの座っている近くの瓦礫の上に座った。



はどうして此処に居るの?」

「ボクは強くなるために此処に居るの。今は・・・念の修業中かな?」

「蜘蛛の誰かの知り合い?」

「 “蜘蛛” ?」

「旅団が何か知らないの?」

「うん。ボク、勉強中でもあるんだ」



ヒソカは奇抜な、例えるなら奇術師のような不思議な格好をしていた。
顔にほどこされたメイクとその奇天烈な服が相俟って、ヒソカ本物のピエロのようだとは思う。
そしてその姿が妙に気に入って、は読んでいた本を閉じ、ヒソカの方へ向き直った。



「良かったら “蜘蛛” について教えてくれないかな?」

「いいよ。そのかわり、君のことについて教えてね」



ヒソカは奇妙に笑い、トランプを手でいじりながら蜘蛛について説明を始めた。
がヒソカから聞いた “蜘蛛” とは、形容するなら “盗賊” だった。
確かヒソカもそのようなことを言っていたと思う。
蜘蛛や旅団と呼ばれ、世界中の財宝を奪うことが目的の集団。
目的のためなら殺しなど日常茶飯事、これまで殺してきた数、数え切れないほど。
その為A級賞金首として狙われていることが常。



「ふぅん」

「ふぅん、て、それだけ?」

「え、もっと何か反応するべきだった?」

「だって盗賊だよ?」

「じゃあ言うけど、ボクマフィアだよ。どう?」

「へぇ」

「ほら、それだけでしょ」



が笑ったら、ヒソカも、そうだね、と笑った。
ヒソカはヒソカで何事にも物怖じしなさそうなを気に入ったらしく、適度に笑みを浮かべながら話をする。



「ねぇ、のこと教えてよ」

「いいよ。ボクはで、クロロに念を教えてもらうため・・・、強くなるために此処に居させてもらってるの」

「へぇ、なんでクロロ?」

「ボクが此処に来て初めて会ったのがクロロで、ボクが “強い” って思ったから」

「ふぅん、じゃ、僕が念を教えてあげようか?」

「ヒソカが?うーん、どうしよ」



が悩んでいる内に、ホームが騒がしくなってきた。
どうやら、出かけていたクロロたちが帰ってきたらしい。



、何か変わったことは―――」

「「 おかえり、クロロ 」」



とヒソカが声を揃えて帰ってきたクロロを迎えると、クロロは思い切り顔を顰めた。
ヒソカはくつくつと笑い、もクロロの反応で大凡のことがわかったらしくくすりと笑う。



「・・・ヒソカ、なんでお前が」

「此処は蜘蛛のホームだろ?帰ってきちゃいけないのかい?」

「行くぞ、

「どうして?」

「どうして、って、そんな奴と一緒に居る義理はないだろ?」

「そうでもないよ、だって・・・」

「「 ぼくらは友達だから 」」



なんとなく、意気投合したとヒソカ。
そんな2人がクロロは何故だか気に入らないらしく、の腕をつかんで、行くぞ、と部屋へ促す。
はクロロへ部屋に強制送還される前、こっそりとヒソカに耳打ちした。



「ヒソカ、クロロの居ないときに念を教えてもらっていい?」

「勿論、ならいつでも大歓迎さ」



このことをクロロは知らない。







2006 07 02

  

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