「失礼ですが、この子供をいかがするおつもりで?」

「ボクが育てる。その為に拾ってきたんだから」



真っ白いベットに横たわる、血の気を失った顔色の子供。
がどこからか拾ってきた怪我人だ。
瀕死の重傷で外科的処置が終わった今でも、昏睡状態が続いている。

はよくものを拾ってくる。
それは野に咲いている花であったり、ゴミ捨て場にあった骨董品であったり。
人間を拾ってくる事もあるので、処置に困る場合もしばしばある。

大抵の拾ってきた“モノ”はファミリーで使われている場合が多い。
ある者は暗殺者として、ある者は雑用として、ある者は耐え切れず死体となった。
最もな例でいえば、由紗が最初の例である。



「この子ね、王子様なんだ。素敵じゃない?王子様だよ、きっと良い子に育つよ」

「王子?どこかの貴族の子ですか?まさか、王族の?」

「王子様。ふふ、素敵に大人になるんだろーな」



楽しそうに子供の将来を考える姿は、まるで父親のようだが、の場合は年齢が年齢なので兄のように見える。
しかし、の性格を知っている由紗は子供を少し哀れに思う。
きっと、気紛れなに振り回される事になるのだろう。
そう思うと、将来どんな大人になるのだろう、と心配になったが、が楽しそうならそれでいい、と思った。



「早く元気になってね、王子様」







2006 10 06
  

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