「くすくす、それともボクのファーストキスでも奪うつもりだった?ざーんねんでしたぁー!」



そうじゃない。
驚くべきことはもっと別の事柄だ。



「あぁそっか、ヒバリはボクの事だーいすきだもんね。
 誰かとキスしたってだけでもショックかー」



けらけらと高笑いするの声がぼんやりとしか聞こえない。
待って、思考が追いつかない。
一人で突っ走っていかないで。





誰が、誰を好きだって?

僕が? 彼を?

ありえない、ふざけてる。

僕が誰かを好きだなんて。

しかも、その相手が―――――





「でも光栄に思いなよ。ボクがされるがままになっててあげたんだからさ」



我侭で、何考えてんのかわかんなくて、大人の癖して自分より子供っぽくて、でも自分より背が高くて、顔が良くて、強くて、それでも性格の悪さでお釣りがくるような性悪だなんて。


もう何も聞こえない。
ありえない
その否定とも拒絶ともとれる言葉が頭の中で反芻するだけだった。
顔を手で覆っていて良かったと思う。
動揺している顔を見られなかったのがせめてもの救いだ。







2006 07 17
  

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