何も考えたくはないが、考えなければならないのだろう。
この雲雀恭弥が現在最も敵視していると言っても過言ではないを好きだなんて。
「はっ。勘違いも甚だしいね。誰が誰を好きだって?くだらない、冗談にもなってないよ」
「ヒバリがボクを好きなの。笑えないのは当然だよ、だって本当のことだもの」
なおさら笑えない冗談だ。
雲雀にを嫌う理由は数あれど好きになる理由なんて見当たらない。
思考が口に出ていたのか、行動に出ていたのかはわからないが、が喜色を含んだ声音で言葉を紡ぐ。
「人が人を好きになるのに理由なんか要らないよ。ふふ、こういうこと言うと、なんだかロマンチストみたいだね」
勝手に言っていろ、と率直に思った。
人が人を好きになるという行為自体は理解できる。
(くだらない、としか思えないが、ありふれた現象だと思う)
だが、そんな恋愛感情を自分が持ち合わせていると?
自分のことは自分が一番良くわかっている。
過去を遡っても自分は恋愛感情を持ち合わせたことなどあまりないし、
最近は毛ほども感じたことが無い。
ましてやに恋愛感情を抱く確立なんて、明日、この地球が消滅してしまうよりも低い。
それに自分は男で、も男。
生憎ながら同性愛者ではないので、男を好きになる道理が無い。
論外、とでもいおうか。
とにかく、この男は恋愛感情云々以前の問題なのだ。
「ありえない、そんなこと、絶対にありえない・・・」
「いい加減素直になりなよ、ヒバリ。このボクが好きだとさっさと言っちゃえば良い。そうしたらボクだって愛してあげるよ?」
かつかつ、とがヒバリの横まで歩いてくるのがわかった。
2006 07 26
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