扉を開ければ彼が居る。
「あれ、授業はいいの?」
「いいんだよ、あんなもの、気紛れで受けているようなものなんだから」
「ヒバリは賢いんだね」
ぎし、とは何処からか持ち込んだ本革の高級な黒椅子に座り、
これまた何処からか持ち込んできたノートパソコンをぱたりと閉じた。
雲雀は自分の定位置に座ると、机の上に足を置き自分なりに寛ぐ体勢となる。
「学校はつまらない?」
「つまらないね」
「どうして?ヒバリはこの学校の帝王として君臨してるじゃない。
やることは沢山あるんじゃないの?」
「僕は群れるのが嫌いなんだ、弱い奴らの王となるなんて反吐が出る」
「ふーん、なんだか可哀想だね」
と出会ってからというもの、
彼は場の雰囲気に関わらず失礼極まりない言動をよく吐く。
それに逐一反応していたら限が無いし、大人気ない。
最初の頃の自分はとても思慮浅く、
の言動に酷く腹を立てていて、
その度に認めたくは無いが無残にも甚振られたのはまだ記憶に新しい。
なのでの言動は流すに超した事は無い。
を無視して、雲雀は次の授業をどうしようか、等と考えていた。
「そうだ、学校の授業がつまらないのなら、ボクがヒバリに勉強を教えてあげるよ」
唐突なクの申し出だったが、雲雀はいらない、と即答した。
確かに、は雲雀よりも大人だ。
そんな彼に勉強を教えてもらうのは理に適っている。
だが、雲雀のプライドが誰かに教えを請う等という行為を受け入れる事が出来ない。
「帝王学、人間学、法医学、法学、一般教育、武術、なんでも教えて上げられるよ?」
再度いらない、と断る。
流す。 無視する。 相手にしない。
くだらない会話にも随分慣れた。
扉を開ければが居る。
きっと、すぐに違和感を感じなくなるだろう。
そして他愛の無い会話をして・・・。
それが日常となるのには時間は掛からない。
2006 05 12
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