ゆっくりと、可能な限り足音を立てず、
気配を殺しての眠っているソファに近付いた。
同じ過ちを二度も繰り返すものか。
そう思ったのだけれど、自分は思ったより好奇心が強かったらしい。
そろりそろりと時間をかけて、ゆっくりとの眠っているソファに近づいた。
やっとのことでソファに迫ると、今度は顔を窺おうと覗き込んだ。
そっと寝顔を覗き込んでみれば、穏やかな寝顔が窺えた。
果たしてこの寝顔は信じていいものか。
狸寝入り、なんてことはないだろうか。
今までの経験上、雲雀が応接室に居る時、
は眠っているように見せかけて必ず起きていた。
その顔を見る限りでは眠っている。
しかし、それを安易に信用してはならない。
どれほど静かに寝ているように装っていても、
この男は起きている可能性が非常に高い。
雲雀は暫くの寝顔を観察していた。
西洋人独特の白い肌、整ったパーツ。
すらりと伸びた手足は細いながらもしっかりとしているので
決してひょろりとした印象を与えない。
「ん・・・」
雲雀が見ている前でが身じろいだ。
珍しい、と雲雀は目を見張る。
これはもしかしたら、は本当に眠っているのかもしれない。
普段が狸寝入りをしているときは絶対に何も起こらない。
瞼がぴくりと動く事もないし、身じろぐことも、寝言を言うことも無い。
完璧に、眠りを演じているのだ。
だからこのように身じろぐという事は、本当に眠っているのだろう。
しかし、ここで自分が何か一つでも物音を立てると起きてしまうかもしれない。
かといって、このような珍しい状況を見逃すような自分ではない。
まだ何かしてやりたい。
いつもと違うの姿を見てやりたい。
何故だかの新しい一面を見たようで嬉しい。
・・・・・・何故嬉しい?
わからない。だが、心が和むのは確かだ。
本当に眠っているを見て、
雲雀は自分でも知らないうちに微笑んでいた。
2006 06 18
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