暫くは眠っているを見ているだけで何故か満足していた雲雀だが、
時が経つにつれ段々と物足りなくなってきた。
時間は悠に30分は経過している。
よくもまあそれまで飽きずに顔を見ていたものだ、と自分自身に呆れ返ってしまった。
人の寝顔を見ても、楽しくもなんともないのに。

の身体を見て、
足が長く若干細身ながらも丁度良いボディバランスでモデルみたいな体型だ、と思ったり、 横になっている所為か、暑かったのかは知らないが捲れた袖から伸びている腕にはしっかりと筋肉がついており、 古傷などが窺え、のような者でも怪我をしたりしていたのか、と自分の知らぬ過去に思いを馳せ、 の肢体に魅入ってしまっていた。

だが、段々の観察にも飽きてきた。
見てるだけというのは、やっぱりどうも物足りなくていけない。
ぼんやりと見ていた雲雀だが、気付いた時には手がに向かって伸びていた。



むにり、と最初に触れたのは頬。
無駄な贅肉が一切ついていないと思われるの頬は案の定柔らかいとはいえず、 かといって骨張っていたわけでもなかった。
撫でればすこし引っ掛かりがあったけれど、シミなどは一切窺えない。
綺麗だな、と思った。

次いで目がいったのは髪。
ショートともロングとも取れない曖昧な長さの髪はの額に掛かり、
場所によってはくるりとはね、また場所によってはさらりと揺れていた。 恐らくはこれといった手入れはされていないだろう、薄い金糸。
その一本一本も実に細く、触ればくたりと容易に曲がった。

不意に気になったのは唇。
口紅を塗っているわけではないので鮮やかな色はしていないし、
どこかしら貧血を疑いたくなるような薄い、薄桃色とも呼べない薄い赤の唇。
じっとその唇を見ていたら、何も考えられなくなった。
理屈ではない、何か。
その何かが雲雀になんの思慮を与えるよりも先に、行動に移させた。



触れるだけのキス。
それは確かにの唇と雲雀の唇が合わさっていた。







2006 06 20
  

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