少しカサついていたが柔らなの唇に自分のそれを重ねた雲雀は数秒重なった後顔を上げた。
暫く眠っているを呆然と見ていて、ふとした拍子に覚醒する。
我に帰って自分のした愚行を思い出し、学ランの袖で荒々しく自分の唇を拭った。
自分は今何をした?
ごしごしと自分の唇が軽く腫れるまで唇を拭く。
しかし、どれだけ擦ろうと彼とのキスの感触が消えないのは何故だ。
鼻腔を擽る甘い薫り、麻薬のように禁断症状を起しかねない依存性の強さ。
どうしてもこの男に従ってしまいそうになるカリスマ性。
フェロモンとでもオーラとでも呼ぼうか。
その類のようなものがから溢れ出しており、蝶を誘う甘い蜜のように雲雀を惹き付けてならない。
それは、嫌だ、近付きたくない、という嫌悪の気持ちを通り越して雲雀を誘惑する。
唇を拭う手を止めて、指でそっと彼のそれと重なっていた自分の唇をなぞる。
キスは今まで何度かやったことがあるが、それらはすべて女とのもので男とはこれが初めてだった。
女とは若干違うながらも似ているキス。
けれども何かが全く違う。異なっている。
決定的に違うのはまだ何かわからない。
だから、確かめたかったのだ。
確かめたかっただけだ。
もう一度キスしたかったとか、触れたかったとか、そんなんじゃない。
確かめたいんだ。
そう自分に言い聞かせ、雲雀はもう一度と唇を合わせた。
2006 06 24
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