酷い空気の中、ぴくりと息を吹き返す者があった。
ゆっくりと起き上がり、綻ぶように笑う。
その姿を見てツナは安堵したが、この状況の中では不安が募った。
この空気が体の傷に触るのではないか、ビアンキは、彼女はヒットマンでも女性なのだから、色々な不安がツナの心をよぎる。
まだ、思考回路は焼き切れていない。
「び・・・」
「チャオ、ビアンキ」
「・・・こんにちわ」
そうビアンキが言った瞬間、がものすごい勢いでビアンキの首を絞めた。
ビアンキの名を呼ぼうにも、声が上手く出なかったツナだが、悲鳴だけはしっかりと出た。
「何するんだッ!!」
「姉貴!!」
「本当に生きてた。ムクロってけっこうすごいね」
「な、にを・・・ぐ、言ってるの?」
「知ってる?ビアンキはね、ボクの愛人なの」
けど、ボクちょっと嫌われててね。挨拶しても、いつも逃げられちゃうの。とは続けた。
それは、つまり、どういうことなのだろう。
ビアンキはビアンキで、でも?
ビアンキを見れば見るほど嫌な気配が背筋を撫でる。
「ク、ハハハハハ!!これは、僕とした事が、失念していました!」
「あれ、普通に喋れる?苦しくない?えい」
「っぐぅ、いい、の、ですか?」
「何が?」
「この、体は、っ、アナタの、愛人の・・・」
「あぁ、気にしない。だって、今はビアンキじゃなくてムクロじゃん」
尚も力を込め続けるにそろそろ限界を感じたビアンキ―――骸はその手を力任せに振り解き、一定の距離をとった。
「なんだったら犯してあげよっか?中身はムクロでも、体は女でしょ?男に犯されるってどんな気分?」
「遠慮します。生憎僕にそのような趣味はないんでね」
ツナは目の前の状況を理解するのに必至だった。
ビアンキが骸と呼ばれて、でも見た目はビアンキで。
答えをくれたのは、隣で幼いながらも深刻な顔をしているリボーンだった。
「憑依弾・・・」
「ぇ?」
「憑依弾は禁弾のはずだぞ」
2007 03 10
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