「さて、人形は潰したし、そろそろ本体が出てきてもいいんじゃない?」
「クフフ、さすがに憑依した人間だけでは相手にもなりませんか」
と骸の会話など、もうツナの耳には入ってこない。
目の前に倒れている獄寺とビアンキと雲雀。
倒れて、ぴくりとも動かないで、じわじわと広がる赤は何を意味しているのだろう。
先ほどまで早鐘のごとくうるさかった心臓が、急に鈍くなった。
体が急速に冷えていく。目がちかちかする。手が足が震える。
敵であった柿本千種や城島犬まで、目が行ってしまう。
みんなみんな、どうして動かないんだ?
どうして、そんなに赤い?
どうして・・・。
「しっかりしろ、バカツナが」
「・・・・・・リ・・・ボー・ン」
「何部外者気取ってんだ、傍観者になってんだ」
「どうしよう、獄寺君やビアンキが!」
「落ち着けっつってんだろが」
ばちん、と赤ん坊にしては強い力で頬を叩かれたツナは、じんじんと痛む頬を押さえて自分の家庭教師を見た。
不思議と叩かれた部分から血の気が戻っていくように感じ、震えがとまった。
「リボーン・・・どうしよ・・・・・・」
「オレは何もしてやれねーぞ」
「そんなッ!!」
リボーンはいつも助けてくれた。
どれだけ手助けしなくても、最後には死ぬ気弾を撃ってくれて、それで上手く収まって。
今回も、助けてくれる。
リボーンという後ろ盾を信じてたからこそ、ここまでやってこれた。
「自分で何とかしろ」
非力で、虚弱で、愚鈍な自分で何ができる?
獄寺みたいに戦う?
そんな力持ってない。
山本みたいに雰囲気を盛り上げる?
そんな明るさ持ってない。
ビアンキみたいにサポートする?
そんな経験持ってない。
雲雀みたいにすべてを自分でやってのける?
そんな勇気持ってない。
そう、自分は何も持ってない。
出来る事なんて一つもない。
自分一人では何も出来ないんだ。
「どうしたらいいんだよ!こんなオレに何が出来るって言うんだよ!!」
また叩かれた。
今度は、殴られたといってもいい。
強く、力強く殴られた。
「おまえは、誰よりもボンゴレ10代目なんだ」
「おまえが気持ちを吐き出せば、それがボンゴレの答えだ」
2007 03 16
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