「あーあ、なんか、一気に醒めちゃった。せっかくいい感じだったのに邪魔されちゃうし。何かが起こりそうだったのに、起こらなかったし。つまんないの、つまんない」
そうだ、間違えていた。
何も彼と対戦することはなかったはずだ。
今、彼を潰す必要性はどこにもない。
自分は何のためにこの場所へ来たのか。
そうだ、それは。
「これからどうしよっかな、どうしよう」
希望が、希望だったのに。
ぎゅっと手袋を握り締めれば、温かい。
けれど、そのぬくもりが今何になる?
欲しかった、強さが。
皆を守れる強さが。
骸を倒せる強さが。
けど、けど。
「えっと、ムクロは殺して大丈夫」
大丈夫。
彼さえ居なければ、万事上手くいく。
そう、彼さえ居なければ。
彼は今、戦況から離脱している。
今、今ならばもう誰の邪魔は入らないはずだ。
「でも、ボンゴレは・・・、殺しちゃいたいけど、殺しちゃダメ」
とりあえず手袋を嵌めてはみたものの、何も変わらない。
少し、温かくなるけど、そんなの関係ない。
もっと、違う何かが欲しかった。
だからいつも、自分はダメなんだ。
変わりたいのに、皆を守って、骸を倒したいのに。
こつり、と指先に何かが当たった。
温か手袋とは正反対に、硬くて、冷たくて。
ころりと手袋から出してみれば、それは銃弾だった。
たった一発だけれど、一発しかないけれど。
「特殊弾、それだな」
「撃たせるわけにはいきませんね」
これ以上、状況を悪化させない。
目的を遂行しなければ。
だって、これはまだ本当の目的の序章に過ぎないのだから。
この程度で失敗していては、これから先のことは成し得ない。
だから、なんとしても、成功を収めなければ。
大丈夫。
希望は、まだ残っている。
残っているから、大丈夫。
最後まで、縋ろう。
諦めちゃ、諦めてちゃダメだ。
自分で、なんとかしなきゃダメなんだ。
「リボーン!」
「ツナ、それをよこせ!」
「させません・・・っ!」
これで終わりにしなければ、いけない。
「よしっ!きーめたっ!!ムクロを殺して、それで終わりにしよう!ムクロを殺すだけなんてつまんないけど、それで我慢!」
2007 01 06
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