ぼろぼろの体でと骸の間に割ってはいる。
骸は気にした様子はないが、が露骨に顔をしかめた。
「どきなよ。邪魔なのわからない?」
「うる、さいよ。こいつは、僕の、獲物だ」
ふらつく足取り。各所から滲む血液。痛ましい傷。
今の雲雀の現状は、あまりに酷い。
それはその場に居る誰が見てもそう思わせる風貌だった。
それなのに、雲雀は骸と戦いたいと言う。
弱い。
今の雲雀を見て、はそう思わずにおれなかった。
血まみれの姿が惨めで、力ない四肢が哀れだ。
どうして。
どうして弱いくせに強く振舞う。
そこがには理解できない。
弱ければ弱いままでいればいいのに、どうして自ら死にに行くような真似をする。
不愉快だ、実に不愉快だ。
弱いくせにしゃしゃり出るな。
今、この現状は、すべて自分のものだ。
どうして弱者に邪魔されなければならない。
を睨みつける雲雀を、更にはねめつける。
は雲雀に歩み寄り、自分より身長の低い雲雀を見下ろした。
「この傷、骸にやられたんだね」
きつく、は雲雀の胸を掴んだ。
骨が折れている箇所をピンポイントで掴まれ、激痛が雲雀を襲う。
耐えようとしても、僅かな喘ぎが口から漏れる。
痛みが全身を駆け巡り、膝が折れそうになる。
の言うとおり、雲雀が今ふらついているのは全て骸から受けた傷の所為だ。
無言を肯定と取ったのか、は更に続ける。
「今ならボクが直々に殺してあげるけど?」
「この僕が、負けるとでも、いいたいの?」
「その通り。死にたいのならボクが殺してあげる。
わざわざムクロに殺される必要ない、ボクが、殺してあげる」
「僕は、負けない」
さらに強く、雲雀の負傷部分を掴み、は笑った。
痛みに耐えるふりをして、強がる雲雀が可笑しい。
弱い、弱い、弱すぎる。
それなのに、強者を気取る雲雀が可笑しくてたまらない。
不快な気分は消えないけれど、それでも、少しの余興にはなりそうだ。
そして雲雀に場所を明け渡すかのように後退する。
「戦いなよ。譲ったげる」
あれ程戦いたがっていたがあっさりと雲雀に骸戦を譲ったことに、雲雀自身も少し驚いた様子だった。
先ほどまで、あれほど不快感を露にしていたのに。
は言う。
「今のヒバリにやられるような弱い奴、ボクはいらない」
「もしヒバリが負けたら、その時はボクがムクロと戦うから」
「せいぜい、死なないようにね」
「ホント、ムカつくね」
悪態をつきながら、雲雀は正面に居る骸を睨み付けた。
はそんな雲雀を楽しそうに眺める。
あまり気に食わないけれど、このくらいの前座は許してやろう。
「僕のお相手は、誰だか決まりましたか?」
「覚悟はいいかい?」
「これはこれは、怖いですねぇ」
雲雀と骸の戦いが始まった。
2007 12 28
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