雲雀は身体が奮えた。
あぁ、本当に久しぶりだ。
どれほどこの時を待ち侘びただろう。
この身体の底から湧き出る、昂揚とも、恐怖ともいえる感情。
興奮する。
身体がうずいて、止まらない。
以前と出会って以来、久しく忘れていた。
雲雀と渡り合えるものはこの並盛中周辺には皆無に等しかった。
居るとすればいつか出会った赤ん坊がそうだが、彼はいっかな雲雀と戦おうとしない。
退屈だった。とても、とても。
自然と、口が開いた。
聞かずにはおれなかった。
「約束、覚えてるよね?」
あの日交わした約束。
なんだか女々しい事のような気もするが、この際関係ない。
退屈だった日常を変えてくれた唯一のものだ。
以前出会って別れてから、もう何ヶ月経っただろう。
再会の約束なんてしなかったし、どこの誰と名乗るわけでもなかった。
出会えた事が奇蹟に等しい。
最初の出会いも、今この時の出会いも。
だから思おう。
この出会いは、必然だと。
運命、なんだと。
「あぁ、ヒバリは覚えててくれたの?」
勿論だ。
忘れるわけがない。
突然現れ、その強烈な存在を深く胸に刻み込ませるも、
呆気ないほど簡単に消えてしまった。
ただ一つの約束を残して。
その約束だけが、雲雀とが出会ったと証明するただ一つのものだった。
忘れたりなんかしない。
絶対に。
むしろ、この時をどれほど願ったことか。
「君のほうこそ、僕との約束忘れたんじゃないだろうね」
「まさか。ボクだってヒバリとの約束を楽しみにしてたんだ、忘れるわけがないよ」
身体が奮える。
これから起こるであろう出来事が楽しみで。
「じゃあ早くしよう。僕はずっとこの時を楽しみにしていたんだ」
「あわてんぼうさんだなぁ、ヒバリは」
早く、早く。
話している時間さえ惜しい。
身体の芯が疼く。
気を抜けば飲込まれてしまいそうなほどの覇気。
目を合わせるだけで伝わってくる強さ。
身体全体で感じる、圧倒的な力。
この辺りの連中では味わえない緊張感。
全てが雲雀を刺激し、戦わせろ、と本能が叫ぶ。
「はじめようよ。殺し合いを」
2006 03 26
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