ふわりとステップを踏むかのように軽やかに。
或いは野に咲く花を撫でる風のように柔らかく。
は雲雀の攻撃を受け流していた。
雲雀が一歩踏み出せば同じだけ後退し、
その間繰り出された攻撃は全てに当たることなく空を欠いた。



「うん、やっぱり雲雀は強いね」



返事はない。
返事をする余裕など雲雀になかった。
先程からどれだけトンファーで打ち込んでも、に掠りもしない。
それどころか、余裕でかわせるであろう攻撃を全て紙一重で避けている。
絶対に避けれない所へ打ち込めば、
一歩前へ踏み出して雲雀の手を逸らし、トンファーの向きを変えた。
は強い。
恐らくは自分よりも。



「っは、少しは攻撃してきたら、どうだい?」

「うーん、もうちょっと」

「余裕、だねっ」



途切れ途切れながらも憎まれ口を叩いた。
認めるのが悔しかったから。
喉が熱い、肺が痛い。
大分息が上がってきている。
当り前か、もうずっと激しい打ち込みをしているのだから。
も雲雀と同等の動きをしているはずなのに、
この整えられた呼吸は何だ、どうして乱れていない。

ちっと舌打ちし、苦し紛れに繰り出した一撃。
それはいとも簡単にに掴まれてしまった。







2006 03 27
  

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