気付いた時には、鳩尾に一撃食らっていた。
続けざまに後頭部に拳を叩き込まれ、呻く間もなくアスファルトに落とされた。
立ち上がろうと手をつけばその手を踏まれ、上げた頭を思い切り蹴られる。

胃から消化物が押し戻されてくる。
脳が揺さ振られ、焦点が定まらない。
踏まれ続けている手は圧迫され血が止まっいて、
蹴られた頭は切れて額から血が流れた。
全身が熱くて何処が痛いか分からない。

視線をずらしを見上げれば、
真っ赤な夕日を背景に佇み、至極つまらなさそうに雲雀を見下ろしていた。



「・・・こんなもの?」



やっと手の上から足が退けられたかと思えば、その足で腹を蹴られた。
靴の先が深くまでめり込んで内臓が押しつぶされたような気がする。
ぐっ、と呻けば、同時に吐いた。
胃液と血が入り混じり、口の端を伝い、ぼたぼたとアスファルトへと流れ落ちる。
このまま横になっていると自分の吐瀉物の中に顔を浸す事になるので、
地面に手をつきゆっくりと起き上がった。
今度は立ち上がることを許してもらえた。
悔しい。
行動の全てをに支配されている。

溜め息が聞こえるた。
揺れる視線でが居るであろう場所を見据えれば、
ぼんやりとその姿を捉えることが出来た。



「弱いね、ヒバリ。弱すぎる」



髪を掴まれ、壁へと叩きつけられた。
鈍い音が頭の中で木霊する。
頭蓋骨が軋む、脳が揺れる、視界が揺れる、身体が落ちる。
筋肉が弛緩して力が入らない、自分で立つ事さえ儘為らない。
今はの腕に支えられ   
いや、支えられるという言葉には語弊がある。
髪を掴まれ、引っ張り上げられ、だらりとした足は地に付いていない。
掴み上げられている、という表現の方が正しかった。



「惨めだね」



何かが聞こえたような気がした。
きっともうすぐこの目は何も映さなくなるだろう。
フェードアウトして、暗い闇の中に落ちるだろう。
せめて、せめて最後に。



「うる、さいよ・・・」



の頭にトンファーを打ち込んだ。
ごつ、と鈍い音がかすむ雲雀の意識にも届いた。







2006 03 27
  

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