『今、この町にバンボラが来てるからな。注意しとけよ』
獄寺隼人がリボーンからそのことを聞いたのは、僅か数分前の事だった。
「チャオ、スモーキンボム。ボンゴレにはいったんだって?」
「ッ!果てろ!!」
「わぉ、派手な挨拶」
投げられた大量のダイナマイト。
はそれを避ける事無く、甘んじてそれを受け止めた。
ただし、通行人という名の盾を要して。
「バンボラ・・・。通行人を人形にしやがって」
「だって、こうでもしなきゃボクが怪我してたでしょ?」
どしゃ、と血に塗れた盾は地に伏した。
「今日は挨拶に来ただけだから、そんなにカリカリしないでよ」
「テメェ、何しに来やがった」
「やだなぁ、ボンゴレ十代目がどんな奴か気になってね。見に来ただけだよ」
「十代目に手を出してみろ。血祭りに上げてやる」
「怖い顔しないでってば。見に来ただけって言ったでしょ?」
手にしたダイナマイトを今にも投げそうな獄寺に、は笑う。
目を細めて、獄寺を吟味するように下から上へと視線をやった。
その纏わりつくような視線に獄寺は嫌な汗が背を伝うのを感じた。
バンボラ
日本語に訳せば人形。
人を人形のように操り、自らの道具とする。
マフィアの世界でも名の知れた人物だ。
血を好む残虐人形という異名を持って。
先ほどが盾に使ったのも、通りすがりの一般人だった。
見えない糸に引っ張られたようにの前まで引きずられ、
獄寺のダイナマイトをの代わりにその身に受けた。
もちろん、本人の意思とは何の関係もない。
先ほどまでは元気に歩いていたのに、
今となってはダイナマイトの爆発を間近で受けた所為で
無残な状態で道路に横たわっている。
「今日はここまで。チャオ、モーキンボムの獄寺隼人」
が去って行った後、獄寺は息を吐いた。
口では軽い事を言いつつも、は隙を見せなかった。
いつでも眉間に銃を突きつけられているような感覚。
対峙しているだけで、神経が磨り減ってしまう。
つたう汗を拭い、ポケットから取り出した煙草で一服する。
願わくば、もう二度と会うことが無きよう。
だが、その願いは叶いそうに無い。
Ciao チャオ こんにちわ、さようなら
2006 03 19
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