病院からの帰り。
日は暮れ、ちかちかと電灯に明かりがともっている。
はびっ、と額に貼られたガーゼを剥がした。
雲雀のトンファーで殴られ、病院で手当てをしてもらった。
傷口の血は既に止まっていて、髪で隠せば傷があることさえわからない。
指でそっと傷をなぞれば、鋭い痛みが走る。
しかし、は顔を顰める所か嬉しそうに頬を緩ませた。
「弱かったなぁ、ヒバリ」
思い出せば笑みが零れる。
自分に一撃も当てられず、挑発されるがままに攻撃を仕掛けたら
呆気ないほど脆く崩れた。
あまりに呆気なかったので、半ば呆れ返っていた時。
『うる、さいよ・・・』
ひゅ と雲雀の手が動き、自分の頭へとトンファーを繰り出してきた。
避けようか、と一瞬思いもしたが
雲雀程度の攻撃なら避けなくとも大事はないであろう、と避けるのを止めた。
事実、頭蓋骨にヒビがいくこともなかったし、脳に害もなかった。
少し皮膚が切れて血が流れたが、所詮その程度。
たいした事のない攻撃だった。
しかし、あの状況ではよくやったと褒めてやるべきか。
散々殴り、いたぶった後だ。
手を上げるだけでも難儀だったろうに。
「弱い奴ほどよく吠えるって、ホントだねー」
別に誰に言うわけでもなく言った。
愉快そうに、弾んだ声で。
自分の足元に跪き、蠢き苦しむ様。
それ自体は別にいつでも見ている。
血に塗れて、傷だらけで。
けれど雲雀は、最後まで諦めなかった。
無謀だと、これ以上あるのは完全なる敗北だと知りつつも、まだ、諦めなかった。
どう足掻いても雲雀の負けは確定していて、覆す余地がなかった。
それでも抗おうとする反骨心。
馬鹿だと思うのと同時に、嫌いじゃない、と思う自分が居た。
「ふふ、面白いね、ヒバリ。
元気になったら、ボクのファミリーにはいってくれないかなぁ」
の声は、夜の闇へと吸い込まれた。
2006 03 29
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