日が地平線に沈みかけ、辺りは全て赤く染まっている。
その中で ひゅん と風の焦げる音がした。
「誰?」
返答はない。
はポケットに入れていた手を出し、両手を頭の上まで上げる。
「ほら、ボクは何もしないし、何も持っていないよ」
ひゅひゅ と幾つかの斬撃がを襲った。
は紙一重でそれを避ける。
「へぇ、トンファー。珍しいね。誰?ボクの知ってる人?」
が再度尋ねたが、返答は無い。
「出てきなよ。大丈夫、何もしないから」
「ボクの名前は。ねぇ、キミは誰?」
「はは、まるでコニーリョみたい。臆病で巣穴から出てこないの」
「あ、コニーリョは日本語でウサギって意味なんだよ」
漸く、相手方に動きが見えた。
「僕は兎になった記憶なんてないんだけど」
「チャオ。ねぇ、キミは誰?」
「雲雀恭弥」
「ヒバリね。ボクはさっきも言ったとおり、」
雲雀に近付こうとが一歩踏み出せば、雲雀は一歩分後退する。
「どうして逃げるの?やっぱりヒバリはコニーリョ?」
「ムカつくね、キミ」
ひゅ との左側頭部へ向け、雲雀はトンファーを繰り出した。
は難なくそれを掴む。
「力が強いね、骨が軋んだ」
「ワォ、すばらしいね。僕のトンファーを受け止めたのは君で二人目だ」
「ふぅん、じゃあ、この町には弱い人しか居ないんだ」
「・・・咬み殺す」
はトンファーを掴んでいた手を放すと、塀の上に飛び乗った。
「本当はヒバリと一戦交えたいんだけど、今回は見に来ただけだから」
「逃げるのかい?僕は君を殺したいんだけど」
「きっとまた会えるよ。その時までヒバリがボクの事を覚えてたら戦おう」
「チャオ、ヒバリ」
はそのまま塀の上を駆け、雲雀の前から姿を消していった。
雲雀はつまらなさそうに仕込みトンファーを仕舞い、
とは反対の方向へ歩き出す。
身体が疼いて仕方がない。
彼の、の気配がひどく癇に障る。
そんな気配を感じながら、おとなしくなんかしていられなかった。
逸る気持ちを抑えつつ、雲雀は帰路へとついた。
Coniglio コニーリョ ウサギ
2006 03 21
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