そうっちゃか、と軋識は落胆とも喜色ともつかない声音で返答した。
と軋識。
兄弟になるはずだった二人は、決裂した。



「家族がいるのは、いーことだっちゃ」

「ごめんね。キシシキとは上手くやってけると思うけど、ボクはボクのファミリーが一番大事」

「うんにゃ。そーゆーことなら仕方ないっちゃよ」

「なんだっけ、ボクの名前」

「零崎繰識?」

「そうそれ、どーゆー意味?」

「零崎は殺し名。殺人鬼っつー意味で、繰識は適当っちゃ」



「ぜろざきくりしき、か。さよなら、もう一人のボク」



胸に手を当て、は生まれてこられなかったもう一人の自分を弔った。
軋識は落ちていた麦藁帽子を拾い、深く被る。






(ささやかな祈り)
2007 08 11

  

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