お子さま行進曲



「おやじー!」


相変わらず元気よく駆けてくるのは、上半身裸のだった。
普段は自分の服を着ているのだが、今日は特別暑かったらしくみなの真似をして脱いでみたのだという。
日に焼けていないなまっちろく、子供らしくなめらかな肌が惜しげもなくさらされていた。
所々縫合痕や傷跡が目立つのは若干痛々しいものがあるけれど。
それもあの子供にしたら勲章のうちに入るのだろう。
上半身裸というのは問題ないと言えば問題ないだろうが、中には特異な趣味の奴もいるかもしれない。
これは色々と教えなければならないか、とエドワードは思った。


「あつい!」

「だが服は着とけ、服は」

「みんなぬいでる?」

「このやわらけぇ腹があいつらみてぇに割れたら脱いでもいいぜ」


は自分の腹を触ってから、エドワードの腹を触ってみた。
ぷにっぷにのかっちかちだった。


「おやじ、すごいっ!」

「男ならこれが普通だ」

「そっかぁ。も、がんばればおやじみたくなれるかなぁ?」


少ししょんぼりしたかのように眉を下げたは、どこか思案顔だ。
珍しいこともあるものだな、とエドワードはいつも空元気のの頭をなでる。


「心配すんな、こんなの自然とついてくらぁ」

「そう?だったらいいなぁ…」

「なんだ、えらく弱気じゃねぇか」


おんなだけど、ちゃんときんにくつくかなぁ?」


エドワードが固まり、上半身素っ裸のをついうっかり凝視してしまった。
胸よりは腹が出ている。
これくらいの子供は男か女か身体つきでは判断できないと聞いたことがあったが、
ま さ か !
認識してしまうと上半身裸のを正視できなくなって、大急ぎで自分の上着を脱いでをくるんだ。
エドワード・ニューゲート、数年ぶり、下手したら数十年ぶりに驚いた瞬間だった。






  
子供の頃って髪型と服装で男女見分けるしかないですよね!
2010/09/17